「就職する企業選びに失敗した…」
「薬局で管理薬剤師になったけど、給料低いし、もっと高い給料の会社に就職したい。」
などと考えてはいませんか?
薬剤師業界は、まだまだ売り手市場で転職がしやすいため、人によっては頻繁に転職を繰り返す人もいます。
しかし、できれば自分に合った会社で腰を据えて長く勤めたいですよね。
調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師はどこも激務で、給料も企業の管理薬剤師よりも低い傾向があります。
そのため、就職するならば企業の管理薬剤師になることがお勧めです。
今回は、そんな企業の管理薬剤師に興味はあるけど、どのような企業を選べばいいかわからない。転職未経験でどのようなことを確認すればいいかわからない。という方のために、
企業の管理薬剤師に転職する際、どのようなことに注意して求人を選べばいいのかを紹介していきます。
企業の管理薬剤師の求人選び5つのポイント
企業の管理薬剤師は、製薬企業、医薬品卸売会社、医薬品製造会社での工場、医薬品流通のための倉庫などが主な勤務先となります。
その中で、自分が何を一番重要視しているかでお勧めの企業が変わります。
何を優先するかは人により異なりますが、代表的なものとしては給料、勤務地、残業の有無、休みの取りやすさ、コミュニケーション能力の必要性などがあげられるでしょう。
そこで、これらの優先事項ごとにどの就職先がお勧めかを紹介していきます。
- とにかく給料!高い給料が欲しい!
- 職場は近場!通いやすい場所がいい!
- 田舎でのんびり!マイペースに仕事がしたい!
- 残業はしたくない!休みもしっかり取って、自分の時間がちゃんと欲しい!
- できれば人と関わりたくない!干渉されたくない!
製薬会社の管理薬剤師
製薬会社、医薬品卸売会社の管理薬剤師
工場勤務の管理薬剤師
工場勤務、倉庫勤務の管理薬剤師
工場勤務、倉庫勤務の管理薬剤師
となっており、それぞれのポイントの特徴を解説していきます。
給料
給料が高い会社に就職することが1番の希望でしたら、製薬会社に就職することがお勧めです。
調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師の平均年収は600万円程度と言われています。
これに対して、製薬会社の管理薬剤師は会社の規模によっても違いはありますが、全体的に給与水準が高く、600~850万円程度の年収が見込めます。
外資系の企業であったり、大手の製薬企業の場合は1000万円近い年収も夢ではありません。
逆に年収が低めな企業は、工場や倉庫で勤務する管理薬剤師です。
それでも平均年収は600万円を超えるので、調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師よりは高い水準となっています。
求人情報を確認すれば簡単に給与額がわかります。
勤務地
勤務地を重視する人は、勤務地がどこにあることが1番重要でしょうか?
近場がいい人もいれば、異動や転勤がなければ場所は問わないという人もいます。
また、地方でのんびり仕事がしたいという人もいるでしょう。
都心部で働きたい、または異動が少ない職場で働きたいのならば製薬会社や、医薬品卸売会社がお勧めです。
また、医薬品の倉庫も医療機関に薬を配送するので職場は都心部に近い場所が多いです。
逆に、地方などでのんびり仕事がしたいのならば医薬品製造業の工場で勤務する管理薬剤師がお勧めです。
工場の管理薬剤師の勤務地は、工場が医薬品の製造を行うために広い土地が必要であったり、製造に伴う騒音防止のために地方などの僻地や、沿岸部の工場が密集しているエリアにあることが多いです。
そのため地方でのんびり仕事がしたい方にはお勧めです。
求人を探す場合は、本社の所在地や求人情報の勤務地の項目をチェックするようにしましょう。
残業の有無
調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師は激務で、残業もかなり多いのですが、企業の管理薬剤師はどの職種でもあまりありません。
その中でも、特に残業が少ない職種は医薬品倉庫や工場での管理薬剤師です。
医療機関に医薬品を出荷する倉庫や、医薬品を製造する工場は、営業時間が終われば勤務も終わるので残業が少なく、残業があるとしても月に数時間程度とのことです。
調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師に多い特徴なのですが、管理薬剤師は役職として、管理職手当が出るのかわりに残業代がもらえなくなる場合があります。
これは、管理職手当の中に見込み残業代が含まれてしまうためです。
この場合、手当によるメリットよりも、残業代がもらえないデメリットの方が大きくなることもあり、注意が必要です。
そういう意味では、最初から残業時間の少ない工場や倉庫などの企業に就職する方がいいこともあります。
求人を探す時は、残業についてはあまり求人情報には記載されていないので、薬剤師の転職サイトの担当者などに確認してもらう方がいいでしょう。
最低でも、残業手当があるかどうかは手当の項目などに記載されているか確認しておいた方がいいです。
休みの取りやすさ
企業の管理薬剤師は休みを取りやすいです。
企業は基本的に、土日祝日が休みのことが多く、お盆、GW、年末年始などもカレンダー通りに休みがもらえます。
シフト制の多い、調剤薬局・ドラッグストアではなかなか長期休暇を取ることは難しいです。
しかし、企業の管理薬剤師ならば勤務地によっては配属されている薬剤師が1人だけなので、自分の希望通りに働くことができ、長期で休みを取って海外に旅行することも可能です。
特に、医薬品製造業の工場勤務の管理薬剤師はこの傾向が強いです。
求人を探す場合は、休日についての項目を確認して年間休日の数や、有給休暇の取得率を確認するようにしましょう。
コミュニケーション能力の必要性
人見知りや人間関係などで転職を考える人は少なくないですよね?
調剤薬局・ドラッグストアで働く方の多くが、店舗での人間関係を原因として転職活動を始めます。
狭い調剤室内で、仲のあまり良くない人と一緒に仕事をするのは気まずいし苦痛だからです。
ですので、あまり人とコミュニケーションを取らないで仕事がしたいと考えている人もいるかと思います。
完全に人間関係を断つことは難しいですが、デスクワーク業務の多い企業管理薬剤師は調剤薬局・ドラッグストアの管理薬剤師よりも人間関係で悩む機会は少なくて済みます。
特にお勧めなのは、医薬品製造業の工場で勤務する管理薬剤師です。
工場での管理薬剤師の主な仕事は、製造される医薬品の製造工程の管理や、品質管理業務などのデスクワークを行います。
従業員に対して、医薬品の情報提供、教育指導などの業務もありますが、他の職種にくらべれば人とのコミュニケーションが少ないです。
逆に、人ともっと関わっていきたいということでしたら、製薬企業や医薬品卸売企業の管理薬剤師に就職するのがお勧めです。
管理薬剤師はMR(医薬情報担当者)やMS(マーケティング・スペシャリスト)に対して医薬品の情報を提供、教育・指導をしたり、MRやMSが集めた医薬品の情報を医療機関に報告するので、他の職種にくらべてコミュニケーションを取る機会が多いからです。
求人情報からだけでは、コミュニケーションの必要性を確認するのは難しいので、薬剤師専門の転職サイトの担当者に業務内容などを確認してもらって相談する方がいいでしょう。
企業の管理薬剤師への転職活動で失敗しないために
人間関係が嫌で急に転職する人や、転職初心者の方の多くは知人の紹介や周りの評判などで転職先をテキトーに決めがちです。
そのような方は、数か月~数年で「やっぱり想像と違った!」と言って、また転職を繰り返す羽目になることが多いです。
これはそもそも最初の転職活動の段階で間違えていたと言えます。
転職活動では、自分の譲れないポイントや重要視する項目を認識し、それにマッチする企業をしっかり探す必要があります。
自分の希望とマッチする企業がすぐに見つからず、いまの職場でしばらく働くことになる場合もあるかも知れません。
しかし、無計画に転職活動をするよりもいいと思われます。
薬剤師専門の転職サイトに相談しよう
それぞれのこだわりポイントに対してのお勧め企業を紹介しましたが、あくまでもこれは傾向であり、企業によって管理薬剤師の働き方は違います。
本当に気になる企業があるのであれば、専門家に相談した方がいいです。
その企業の給料や勤務地、残業や有給休暇の取りやすさなどは薬剤師の転職サイトの担当者に確認してもらえます。
もし、管理薬剤師の経験などがあれば、自分だけではやりにくい条件面などの交渉もしてもらえるので利用しない手はありません。
少しでも気になることがあれば、薬剤師専門の転職サイトに相談してみると、自分だけでは見つけられないような掘り出し物の求人も紹介してもらえるかもしれません。
案外、自分が思いもよらなかったような企業が天職だったということがわかるかもしれませんね。