管理薬剤師の勤務時間は?

週40時間が基本

管理薬剤師は、営業時間内に常駐して管理業務をしなければならないと薬事法で定められています。そのため、勤務時間に関してもしっかりと決められているのです。決められていると言っても、薬事法で言及されているわけではありません。

それぞれの就業規則に基づいているということです。薬局では一週間に40時間勤務がフルの仕事としていることがほとんどですから、その勤務時間全てを満たすことになります。8時間を5日間ですね。労働基準法ギリギリの勤務時間になるわけです。

24時間営業の店の場合は?

気になるのは、24時間営業をしている場合ですね。近頃薬局やドラッグストアでは、24時間営業で年中無休というところも少なくはありません。管理薬剤師には常駐して実地で管理しなければならない義務がありますが、いくら管理薬剤師だからといって年中無休24時間常駐しているわけにもいきません。

別の法律に違反してしまいますし、倫理的にもアウトです。一週間に40時間以上営業しているようなところになると、管理薬剤師不在の時間ができてしまいます。これは仕方がないとして、その時間帯においては違う薬剤師が管理者となることが認められているのです。

そのため、管理薬剤師は40時間に少し残業をする程度で仕事をあがり、代行者が管理責任を引き継ぐということになります。

勤務時間に関するメリット・デメリットはある?

他の社員とあまり変わらないのに手当てが得られる

週に40時間というのは、実は他の薬剤師とそこまで勤務時間が変わるわけではありません。正社員はフルタイムで働いている場合がほとんどです。ほとんど変わらない勤務時間で働いているのに、薬剤師手当てを貰うことができるというのはメリットになるでしょう。

中には、週32時間で管理薬剤師を募集しているようなところもあります。一週間に40時間、管理薬剤師を雇うことが困難である場合に限っては、週に32時間勤務する薬剤師を常勤の薬剤師として認めるという解釈が、厚生省でされているのです。

そのため、職場によっては40時間ではなく32時間で良い場合があります。

残業が基本になる

管理薬剤師の勤務時間に関するデメリットですが、一週間に40時間の勤務時間を超えてしまう場合が多いということです。残業をすることが基本になると考えましょう。管理薬剤師は、管理業務だけを行っていれば良いわけではありません。

もちろん、その職場における通常業務も担当します。調剤薬局だと、調剤業務をして服薬指導もしながら管理業務をするわけです。忙しい職場である場合、薬剤の管理を業務時間内にしていられないということが多々あります。

従業員の管理をしながら通常業務をしているだけで営業時間が終わってしまう。そうなれば、衛生管理や薬剤の管理は営業時間外に行わなければなりません。管理薬剤師だけが残って管理業務をするのです。

現状として、管理薬剤師は残業が基本と言われています。

残業代が出ないことが多い

残業が基本だったら残業代が出て、役職手当と合わさって収入が増えるから大歓迎という人もいるでしょう。確かに、残業には残業代が支払われなければならないのです。職場側は支払い義務があります。

管理者の残業については残業代が支払われなくても良いと労働基準法で定められていますが、管理薬剤師は労働基準法で定めるところの管理者にはあたりません。そのため、きっちりと残業代を支払わなければならない義務があります。

しかし、現状としては支払われていないことが多いのです。労働基準法についての解釈を知らないのか、知っていて支払わないのかは定かではありませんが、あまりにも残業が日常的になるので払っていられないというところなのでしょう。

管理薬剤師として働くことの、最大のデメリットは「ブラック」とも言えるこの勤務時間にあります。管理薬剤師になりたいと思うのであれば、サービス残業は覚悟しておかなければなりません。抗議することもできますが、認められるかどうかは定かではないです。