「派遣薬剤師には即戦力になるスキルが求められる」という話を、なんとなく聞いたことがありませんか?
派遣薬剤師として働いてみたいけれど実際のところはどうなのだろうって思っている方のために、パターン別に求められるスキル・経験をまとめてみました。参考にしてみてくださいね。
業務内容別 派遣薬剤師に求められるスキル・経験
調剤業務
単純なピッキングのみであれば、スキルも経験もそれほど必要ありません。薬剤の配置(薬効ごとか、50音順かなど)を確認すれば大丈夫です。
慣れている派遣薬剤師の方ですと、派遣された初日・あるいは下見の段階で薬剤の配置をざっとチェックしていきます。
最近はハンディターミナルなどを使用したピッキングシステムを導入している店舗も多いですが、機械操作はそれほど難しくないので覚えてしまえば簡単です。
また、散剤・水剤・軟膏などの計量・混合は、経験があったほうが有利です。
色や形状を知っていれば計量時に誤った薬剤で調剤するといったミスが発生しにくくなりますし、常用量を熟知していれば調剤時に処方内容の監査も行うことができるからです。
一包化などの業務も経験があったほうが有利です。一包化できない薬もありますし、一緒に分包してはいけない薬もあります。
その他、錠剤の粉砕なども粉砕の可否についての知識があったほうが業務がスムーズにすすみます。
服薬指導
服薬指導では、患者さんに薬の情報を正しく伝えて飲み間違いのないよう説明するのはもちろんのこと、時には雑談も必要です。しかし、派遣薬剤師の方は患者さんにとっては「新顔」ですから、緊張して話をあまりしてくれない方もいらっしゃいます。
そこで必要となるのがコミュニケーションスキルです。
コミュニケーションスキルが高ければ患者さんに警戒心を抱かせることなく話を引き出すことができるので、コミュニケーションスキルはとても重要です。
また、服薬指導時には診療報酬の内容についての質問を受けることもあります。そのため、領収書や調剤録に記載されている内容が説明できる程度の保険の知識はあったほうが良いでしょう。
薬歴管理
最近は電子薬歴が導入されている薬局が多いです。
派遣薬剤師の方は情報のやり取りをパソコンなどで行っている方も多いので大丈夫とは思いますが、パソコンの文字入力くらいはできたほうが良いでしょう。
薬歴のフォーマットが「SOAP」形式になっているところもあるので、書き方を少し勉強しておくと困らないかもしれません。
その他
レセプトのチェックを薬剤師が行う薬局もあります。診療報酬の内容を理解していないとしっかりチェックできない項目もありますので、このような薬局に派遣される場合には診療報酬の内容をしっかり理解しておく必要があります。
また、どこの薬局にも細かい内規があることが多いので、それに柔軟に対応する能力も必要です。
求人内容別 派遣薬剤師に求められるスキル・経験
大病院の門前薬局
大病院の門前薬局は、とにかく忙しいというところが多いです。派遣薬剤師の方に細かく何かを教える余裕はあまりありません。そのため、求められるのは即戦力と体力です。
ありとあらゆる診療科目に対応できる知識と、多忙でプレッシャーがあってもミスなく調剤・監査できる能力、最低限の診療報酬に関する知識、そしてほとんど座ることができないくらい忙しくても耐えうる体力のある方が歓迎されます。
マンツーマン薬局
マンツーマン薬局については、規模や処方せん枚数によるとは思いますが、できれば即戦力、そして門前のクリニックや病院の診療科目の処方せんを経験したことがある方が歓迎されます。
他の業態とは異なり中抜け時間があることが多いのでその時間にフォローをしてもらいやすいですが、やはり経験値の高い派遣薬剤師のほうが歓迎されます。
ただ、扱っている医薬品数が比較的少なめであることが多いので、経験が少ない人でも働きやすい環境といえます。
面薬局
面薬局も規模や処方せん枚数によるとは思いますが、できれば即戦力、そして複数の診療科目の処方せんを経験したことがある方が歓迎されます。
面薬局では様々な医療機関から処方せんが持ち込まれるために規格違いの在庫が多くなりがちです。また処方された薬剤の在庫がないこともよくあるので、それに臨機応変に対応できる能力が派遣薬剤師にも求められます。
そのため、経験の少ない人では少し働きづらいかもしれません。
繁忙期限定の求人
繁忙期に薬剤師数が足りず派遣薬剤師を求めるような薬局は、当然のことながら忙しいです。大病院の門前薬局同様、即戦力と体力が求められます。
新規店舗の立ち上げにともなう求人
新規店舗の立ち上げにともなう求人も、即戦力が求められます。
このような店舗では事務職員が新人であることも多いので、診療報酬の知識が十分にあって入力ミスが指摘できるような能力の高い派遣薬剤師が歓迎されます。
まとめ
以上、いろいろなパターンに分けて派遣薬剤師に求められるスキル・経験をまとめてみましたけど、いかがでしたか?
派遣先により求められるレベルに違いはあると思いますが、やはり経験がある方が有利ですし、歓迎されます。
スキルや経験に自信がない場合には、派遣会社や転職サイトを通じて派遣先が求めるスキル・経験をしっかり把握するのが無難です。派遣期間が数ヶ月とはいえ、つらい思いをするのはイヤですものね。
大手の転職サイトでは、派遣を希望する方に研修を行っているところもあります。このようなシステムを使ってスキルアップを図れば、充実した派遣生活を送ることができますよ。