みなさんはドラッグストアでの勤務にどのようなイメージを持っていますか?
「品出しやレジ打ちが多そう。」
「お客さんに接客するのは調剤薬局よりも大変そう。」
「薬剤師として扱われなさそう。」
こんなイメージでしょうか。
また求人票を眺めていると、ドラッグストアはお給料が高い印象もあると思います。
「お給料が高い裏には何かデメリットがあるんじゃないの?」
そんな疑問を持つドラッグストアに転職を考えている方に、今回はドラッグストア勤務経験者の筆者から、ドラッグストアに勤務することのデメリットについて解説します。
デメリットを把握したうえで、納得のいく転職活動を行いましょう!
ドラッグストア勤務のデメリット① 拘束時間が長い!
これはお近くのドラッグストアをイメージしていただくとわかりやすいと思います。
大手チェーンのドラッグストアは営業時間が長く、24時間営業をしているところも多くあります。
薬剤師や登録販売者がいなければすべての医薬品を販売することが出来ません。1類医薬品や要指導医薬品は薬剤師の対応が必須です。
つまり、それだけ薬剤師や登録販売者が夜遅くまで働いているということです。
毎日10時間を超えて拘束されることも多いです。これはドラッグストア勤務のデメリットの1つと言えるでしょう。
登録販売者がいるお店の薬剤師はかなり優遇されていることが多いですが、筆者はその状況でも実働8時間、休憩2時間(その2時間の間も1類対応に呼ばれたら行かなければならず、外出や昼寝などはできませんでした。)という勤務体制でした。
ドラッグストアに転職を考えている薬剤師の方は、どのような勤務時間になるのかよく確認したほうが良いでしょう。
ドラッグストア勤務のデメリット② 休みが不定期、土日祝日は休めない
再びお近くのドラッグストアをイメージしていただきたいのですが、ほとんど全てのドラッグストアで土日祝休み、という店舗はなかなか無いと思います。
ドラッグストア含め小売業にとって土日祝日はかき入れ時です。
実際ドラッグストアは土日の売り上げが多く、薬剤師以外の従業員も土日は厚くシフトを組まれます。
薬剤師ももちろん同様で、週に2日の休みはほぼ平日です。筆者が土日休みを欲しがると、上司に嫌な顔をされた経験があります。
それもそのはずです。かき入れ時に薬剤師が不在だと、その日ロキソニンも売れなくなってしまいます。
周囲の友人と休みが合わず遊べなかったり、家族と休みが合わず子供の運動会に顔も出せなかったり…というデメリットがあります。
休みの取りやすさや、休んだ時の人員補強などについて、転職を決める前にしっかり確認しておいた方が良いでしょう。
ドラッグストア勤務のデメリット③ 薬剤師として勤務しているはずなのに、雑務が多い
これは薬剤師らしく、専門知識を使って仕事をしたいと考えている方にとっては大きなデメリットです。
ドラッグストアでの薬剤師の仕事の中で、薬に関する相談に乗って適切な薬をお客様に勧める…という薬剤師らしい仕事ができるのはほんの少しです。
医薬品・医薬部外品の管理と称した発注・品出し業務や、季節によって変わる販売什器のレイアウト替え、レジパートさんが足りない時のレジ応援、そしてお客様から最も多い質問である「歯ブラシどこ?」のような場所案内対応などの仕事が大半を占めます。
当然、他の従業員が対応してくれることもあります。
しかし「薬剤師だから薬の対応しかしない!」と毎度他の従業員を呼び出していては、お客様から見ても他の従業員から見ても印象はあまり良くないです。
そのため、優しい薬剤師たちは毎日嫌な顔一つせず雑務をこなしています。
もしドラッグストアに勤務を考えていて、「雑務はしたくない!」という場合は、転職する前に仕事内容について確認しておいた方が良いかもしれませんね。
ドラッグストア勤務のデメリット④ 力仕事が多くて体力に自信が無いとつらい
医薬品の中には瓶入りの液体など重たいものが一定数あります。
前項目で述べた通り、医薬品や医療機器、健康食品や栄養ドリンクなどの品出しを薬剤師が担当することが多いです。
栄養ドリンクの1本1本は軽いので侮りがちですが、格安のドラッグストアでは箱単位で大量に売れていきます。
1箱10本程度ならばいいのですが、ダンボール単位(よくある例ですと1箱×5箱、計50本)で飛ぶように売れていきます。
その補充をするのは大変骨が折れます。
ダンボール単位で店頭にそんなに多くは並べられないことがほとんどなので、売れたら台車を漏って倉庫へ、と繰り返す必要があります。
山積み展開(棚に並べるのでなく、地面から箱を積んでインパクトを出す陳列方法のことです。量販店のトイレットペーパーの陳列を思い浮かべるとイメージしやすいと思います。)の場合は賞味期限も加味して下から並べるため、それだけで1時間近くかかる場合もありました。
重たいものが持てない方、日ごろから体力に自信が無い方、腰にヘルニアなどの持病がある方などの場合、力仕事が多いドラッグストア勤務はデメリットが大きいです。
納得してドラッグストアに転職するために
ドラッグストアで勤務する前に、考えておいて欲しいデメリットをいくつか紹介させていただきました。
ドラッグストア勤務を検討しているみなさんが、勤務するうえで何を重視するのか、どこまでデメリットを許容できるか考えるお手伝いができたら幸いです。
ドラッグストア勤務には今回紹介したデメリットの他にもメリットはたくさんあります。転職を検討する場合は、それぞれ比較して、きちんと納得した上で企業を選びましょう。
メリットについてはこちらで紹介しています↓
薬剤師が転職先にドラッグストアを選ぶメリット