転職を考えている薬剤師の皆さんは、次の転職先の選択肢としてドラッグストアは候補に挙がっていますか?

「ドラッグストアって給料いいじゃん。ありだと思っているけど、実際キツいの?」

筆者はドラッグストアでの勤務経験があるため、知人や友人からそのように質問されることが多いです。

実際勤務してみると、確かにキツいと思うことは多くあります。特に女性にはキツい場面が多くあるように感じています。

今回は、ドラッグストアで勤務する薬剤師がキツいと感じる場面について、具体的にお話していきたいと思います。

意外と力仕事が多くてキツい!

ドラッグストアでの薬剤師の仕事と言えば、どのようなものを想像しますか?薬を管理したり、お客さんと話したり、そういうイメージが多いと思います。

しかし、実際はそれに加えて医薬品や雑貨の発注や品出しなども課されることが多いです。

雑貨への関与は会社により異なりますが、医薬品や健康食品、医療機器あたりまでは薬剤師のテリトリーになっていることが多いです。

これは調剤室が併設している場合はまた話が変わってきますが、OTCのみの取り扱いの場合はまず販売業務だけで済まされないのが実情です。

薬剤師は人が足りませんが、登録販売者や一般スタッフですら不足しているお店が多いためです。

養命酒や、医薬部外品などに分類される大量のドリンク剤なども薬剤師の管理下に置かれる場合が多いです。これらの商品の品出しは、かなりの力仕事です。

筆者はドラッグストアに勤務開始直後、これらの業務のせいで数日筋肉痛で動けなくなりました。

ドラッグストアの品出しは、力仕事が苦手な方はもちろん、そうでない方でも慣れていない方にはかなりキツい業務です。

薬剤師が高齢の場合などは他のスタッフが代わりに品出しをしてくれることもあるようです。体力に自信が無かったり、持病があったりする場合などは周囲に相談するようにしましょう。

拘束時間が長いのがキツい!

ドラッグストアの営業時間を思い浮かべてみてください。

ドラッグストアって、だいたい夜遅くまで営業していたり、(場合によっては24時間営業も!)年中無休だったりしますよね。

その間はきちんと店員がいて、お店を回さなければならないのです。

薬剤師は登録販売者と異なり、深夜の勤務を強要されることはほとんどないですが、他社との差別化を図るために薬剤師が時間を問わず勤務している会社もあります。

そのため1勤務の時間が長くなり、深夜にまでわたる拘束が起こる可能性があります。休日が多いかわりに1度の拘束時間が長いパターンです。

他にも休憩時間が1時間ではなく2時間程度取らされ、お店にいる実質の時間が引き延ばされる場合もあります。

ごはんを食べていても、薬剤師が自分1人しかいなかったため、1類販売で呼ばれるとお客さんのところに行かなければならないこともありました。

後で述べるサービス残業のくだりでも述べますが、ドラッグストアに勤務する薬剤師は、他業種で勤務する薬剤師よりも拘束時間が長い傾向があるので、覚えておきましょう。
体力に自信がない方や不規則な生活に耐えられない方にはキツい仕事です。

希望した日に休めないのがキツい!

ドラッグストア業界に限った話ではありませんが、現在どこでも薬剤師は不足しています。特に正社員として勤務している、時間に融通の利く人材は更に不足しています。

「正社員って言ったって、きちんと希望した日に休みが取りたい!」と思いますよね。

しかし、正社員だとそれがなかなかうまくいかないこともあります。

正社員の場合、お店の管理薬剤師になる場合が多く、自分が休みの時だけパートさんを雇ったり、他店から他の薬剤師に来てもらったりすることが多いです。

しかし自分が休みたい日にパートさんが出勤できなかったり、他店からの人材の都合がつかなかったりする場合がもちろんあります。

そうすると、お店の管理薬剤師の立場として休みを諦めなければならないことがあります。

登録販売者が居れば、1類医薬品以外は販売できますので、シフトに穴をあけることは可能です。しかし、会社がそれを許してくれないことが多くあります。

会社の考えが厳格ならばそれほどに、ドラッグストアは希望通りの休みを絶対取りたい薬剤師の方にはキツい職場です。

サービス残業がキツい!

「残業はありません!」と求人票がうたっていても、正社員なら多少の残業を覚悟して入社するのが世の常です。

しかし、「残業代のつく残業」はなくても、「サービス残業」がある場合はみなさんはどう考えますか。

ドラッグストアはサービス残業の多い業界です。

薬剤師は登録販売者と比較して少ないですが、業務量が多いために残業しなければならない場面が多くあります。

しかも、表向きは薬剤師の残業代(時給)が高額のため、残業はよっぽどのこと(お客さんに対応するなど)が無い限り認めてくれない会社があります。

しかし作業が追い付いていない場合は、残業をする必要があります。

そうするとあくまで「自主的」に残ってしまう薬剤師が一定数いるのです。

「POPを作るだけだから…」「お客さんに呼ばれても、退勤したことにして行かないから…」「明日までに売り場作らないとエリアマネージャーに怒られるから…」

そう言って、こっそり残る薬剤師が多いため、周囲の薬剤師たちにもそのような文化が根付いてしまっているのです。

「私は関係ない!会社が勤務時間以上の仕事を与えるからいけないんでしょう!?」と堂々と帰れる方なら問題ないですが、断れない性格の方や、上司が厳しくて逆らえないような環境に置かれている方だと、キツい状況かもしれません。

まとめ

キツい場面についていくつかお話しましたが、ドラッグストアに勤務すると1言で言っても、その大変さは企業によってかなり異なります。

冒頭で述べた通り、ドラッグストア自体は給料も良く大変割の良い仕事です。

しかし、サービス残業が多い場合に時給換算すると、そこまで美味しくない給料になっていることもあります。

サービス残業がどのくらいあるかは入社前にわかりにくいですが、残業の有無や勤務形態については担当者に質問しやすいと思います。

ドラッグストアに勤務することを検討されている方は、それらの点をきちんと確かめてから転職活動を行うようにしましょう。

みなさんがより良い転職活動を行えるよう、応援しています!