病院薬剤師のみなさん、毎日元気に働いていますか!?

病院薬剤師のお仕事は調剤薬局やドラッグストアと比べて高度でやりがいもありますが、同時に激務でもあり日常的にストレスや悩みを抱えている方も多いことでしょう。

そこで今回は多くの病院薬剤師の方が感じているストレス要因とその解決策についてアドバイスしたいと思います。

日々の業務を快適かつスムーズに進めていくためにも是非参考にしてください。

病院薬剤師ストレス要因① 仕事量の多さ

病院薬剤師の仕事ってとにかく忙しいですよね。調剤、注射剤調製、病棟業務、カンファレンス、夜勤、当直と膨大な仕事量が課せられており、さらに休日にも学会に出席しなければならないこともあります。

残業も毎日のように発生し、プライベートの時間はおろか睡眠時間の確保さえままならないという人も珍しくありません。

こうした状況が毎日続くとストレスがどんどん蓄積され、健康を害することにもなりかねません。

仕事が忙しいのは病院で働く以上は仕方のないことかもしれませんが、周りの人と協力したり、自分なりに息抜きをする工夫をすることで少しでもストレスをため込まないように努力することも必要となります。

そのためには、例えば以下に示すようなことを実践してみると良いでしょう。

仕事の手順を見直す

普段は当たり前のようにこなしている仕事の手順にも実は大きな無駄が潜んでいる可能性もあります。毎日繰り返し行うタイプの仕事は少しの手間を省くだけで全体として多くの時間の節約につながることもあります。

こうした無駄は一人では発見できないこともあるため、薬剤部全体で意見を出し合うなどして知恵を集め、解消するように努めていくと良いでしょう。

業務の割り振りを見直す

毎日仕事が終わらなくてストレスがたまる原因は、実は業務の割り振り方にあるかもしれません。自分の担当している業務を周りの人たちと良く比較して、その量が妥当であるかを検討してみましょう。

もしも自分だけが不当に多い量を割り振られていると感じた場合は、直属の上司に相談してみることをお勧めします。

指示を出す方は平等にやっているつもりでも実際には偏りがあるというケースは往々にしてあるものです。

与えられた業務をただ黙々とこなしているだけではストレスがどんどん蓄積されていくため、時には思い切って上司に相談することも大切でしょう。

プライベートで息抜きをする

どんなに仕事が忙しくても、プライベートでしっかりと休息をとり、心身ともに回復させればまた翌日からの激務に耐えうるだけの体力や気力を養うことができます。

お風呂にゆっくりと浸かる、マッサージを受ける、アロマオイルでリラックスする、カラオケで発散する、適度な飲酒をするなど自分に最も適したストレス解消法を見つけることで、仕事で疲れた心や体をしっかりといたわってあげましょう。

病院薬剤師ストレス要因② 他職種との人間関係

医師や看護師、放射線技師など様々な資格の人が入り混じって働いているのは病院ならではの特徴であり、こうした他職種との人間関係が大きなストレスになることは良くあることです。

特に病院では医師や看護師が強い力を持っており、薬剤師はこれらの職種と比較して立場が低い場合がほとんどです。

そのため薬剤師は、病棟業務やチーム医療などにおいても医師や看護師から相手にされない、しかりつけられる、雑用を押し付けられるといった不当な扱いをうけることも多く、ストレスをため込んでしまう人もいます。

それではこうしたストレスに対処するためにはどうすれば良いのでしょうか。具体的には以下のような方法が考えられます。

自分の役割を相手に理解してもらうように努める

医師や看護師の中には薬剤師の仕事内容や役割が良く分かっていない人も多く、このために誤解やすれ違いが生じてしまっていることもよくあります。

こうした場合の解決策はコミュニケーションを通じて自分達の立場や役割を良く理解してもらうことだと言えます。

仕事の合間に医師に抗菌薬の使い分け方をアドバイスする、看護師に薬物相互作用についての基礎知識を解説するなど薬剤師ならではの職能をアピールしていくことで、少しずつ薬剤師の存在価値を認知させていく努力が大切です。

ただし、こうした際には伝え方も重要になります。押しつけがましくアドバイスしたり知識をひけらかすような物言いをしていると感謝されるどころか相手の反感を買うことになりかねません。

あくまでもさりげない形でアドバイスし、「ふ~ん、薬剤師って意外と役に立つんだな」と相手に思わせるようなアピールをしていくようにしましょう。

相手の仕事の大変さや辛さを思いやる

日々激務に追われているのは病院であればどの職種でも一緒です。仕事の忙しさや疲れから、本来はおだやかな性格の人も心に余裕がなくなり、立場が下の人に辛く当たってしまうというのは良くあることです。

このような人に対してはこちらが一歩譲歩して相手を思いやる気持ちをもって接することが大切になります。

相手の愚痴や悩みを親身になって聴き、「いつもお仕事大変ですね。〇〇先生がお辛い気持ちは良くわかります。」などと理解を示すことで自然と打ち解けてくれる場合もあります。

自分が辛い立場にあるにも関わらず相手を思いやるというのはそう簡単にできることではありませんが、お互いが自我を押し通していたのではいつまでたっても人間関係の改善は見込めません。

時には引くことも大切だということを頭に入れておきましょう。

割り切る

思い切って現状を受け入れることも大切です。病院において医師や看護師の方が圧倒的に数が多く、優位な立場にあることは揺るぎない事実であり、病院で働く以上は避けて通ることができません。

いつまでも自分の立場が低いことを思い悩むよりも、「病院とはそういうところなんだから仕方ない!」と割り切って仕事をする方が精神的にずっと楽になることも多いでしょう。こうしたメンタル面でスイッチの切り替えは意外と有効な手段なので是非実践してみましょう。

ストレス要因が解決できないときは、職場を変えたり、病院薬剤師からの転職を考えよう

病院薬剤師に多いストレスとその解決法を示してきましたが、現実にはこれらの方法ですべてのストレスに対処することが難しい場合もあります。

人間はストレスに弱い生き物であり、過度にストレスをため込むと心身ともに異常をきたす可能性もあります。

仕事とは本来、豊かで健康的な社会生活を営むためにあるものであり、身体を壊してまで現在の職場にしがみつくことは本末転倒であるといえるでしょう。

最善の手段を尽くしたにも関わらずストレスの原因を除去することができない場合は、一度ご自分のおかれている環境をリセットすることが必要となる場合もあり、そのためには転職という選択肢が有効であることも心にとめておくと良いでしょう。