病院薬剤師の皆さん、日々のお仕事お疲れ様です!病院の仕事ってホントに大変ですよね。調剤薬局やドラッグストアも忙しいですが、病院の仕事の忙しさは別格だと思います。
朝出勤するとすぐに大量の注射剤の調製に追われ、それが済んだら今度は息をつく暇もなく、膨大な数の注射剤を薬剤部から病棟まで運ぶために院内を駆け回る毎日。
午前中には各病棟から大量の処方せんが回ってくるため、調剤にかかりっきり。
昼食を済ませるとすぐに病棟業務が始まり、夕方にはまた山のような処方せんが薬剤部に雪崩れ込んでくる。残業もほぼ毎日発生し、休日にまで学会に参加しなくてはならない。
こんなあわただしい毎日を送っている方も多いのではないでしょうか?
若くて体力があるうちはまだしも、いつまでもこんな状況のまま仕事を続けていると健康にも悪影響を及ぼし、最悪の場合、過労死なんてことにもなりかねません。
そこで今回は、日々の激務に悩まれている病院薬剤師の方を対象にその対処法についてアドバイスしていきたいと思います。
調剤が忙しすぎる場合の対処法
病院の薬剤部で毎日大量の処方せんを処理しなければならないのは当然のことですが、それでも限度というものがあります。
夕方以降に大量に送られてくる処方箋を時間内に処理することができずに毎日残業になってしまうならば、明らかに人員の配置に問題があると言えます。
薬剤師1人が1日に扱うことのできる処方箋枚数は40枚と法律でも定められています。
局所的にこの数字を超えるだけならともかく、それが毎日続くようであれば、一度、人員配置を見直す必要があります。
もちろんその際は人事権を持った一定の役職の人に相談することになりますが、ただ「忙しいので人を増やしてください!」と言っても聞き入れられないことも多いでしょう。
そんな時には、毎日その日に自分が処理した処方箋枚数や残業時間の記録をとっておき、客観的なデータを示しながら人員増を要求することをお勧めします。
こうすることで法律違反であることを明確に示すことができるため、担当者も無下に要求を却下することができなくなります。
法律を盾にした要求は効果的な場合が多いため、ぜひ実践してみましょう。
病棟業務が忙しすぎる場合の対処法
病院薬剤師の方の中には、毎日の病棟業務の忙しさにウンザリされている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
患者さんの服薬指導に始まり、薬歴の作成、注射薬の補充・管理とミキシング、内服薬の溶解、注射伝票の管理、薬のゴミの片付けなど、病棟業務では数え切れないほどの仕事が回ってきます。
「ただでさえ忙しい調剤の合間を縫って、回診やチーム医療に参加しているのに、こんなにいろいろやらされたんじゃ仕事が終わらない!」って思ってしまいますよね。
病棟業務が激務なのは、他職種からの理不尽な業務割り当てによる可能性もあります。
特に、病院では看護師が数の上で薬剤師を圧倒しており、強い力をもっているため、本来は看護師がやるべき雑用などを薬剤師に押しつけてくる場合も多々あります。
こうした要求を黙って聞いているばかりだといつまでたっても激務から解放されずに、疲労やストレスばかりが蓄積されることになります。
このため、他職種から不当に雑用を押しつけられていると感じた場合は一度、薬剤部の上司に相談してみると良いでしょう。
これは、直接看護師に文句を言うよりも、上司を通じて薬剤部と看護部という部署同士の問題に持ち込む方が、話し合いがスムーズに進む可能性が高いためです。
また、その際にはできれば文書を交わすなどして、正式な合意を得ることが大切でしょう。
自分だけでなく他の薬剤部のスタッフが激務に悩まされることのないように、きちんと筋を通しておくことをおすすめします。
夜勤・宿直が激務でつらい場合の対処法
病院薬剤師が激務になる原因として、夜勤・宿直・学会などの存在が挙げられます。
夜勤・宿直は勤務時間こそ日勤と比べて短めかもしれませんが、仕事による疲労感という点では比較になりません。
しかも、夜勤明けの休日はほとんど一日寝てすごしたり、起きていても頭がぼーっとして何も手につかないという方も多いのではないでしょうか。
こうした状態が続くとプライベートの時間も確保できなくなり、心身ともにリフレッシュする機会が奪われてしまいます。
それではこうした状況にはどのように対処したらよいのでしょうか。
夜勤や当直は薬剤部のスタッフに当番制で平等に回ってくるために原則的には回避することはできません。
しかし、もしも自分だけが不当に夜勤・当直の回数が多いなどという場合は、一度上司に相談してみましょう。
当番を割り振る方も知らず知らずのうちに偏ったやり方になっていることもあるので、ローテーションをしっかり確認してもらうことが大切です。
また、健康上の理由でどうしても夜勤・当直が耐えられないという場合は素直にその旨を上司に申し出る方が良いでしょう。
通常は、スタッフの健康を害してまでも無理に夜勤を押しつけるような職場はないからです。
理解のある上司であれば事情を考慮した上で夜勤から外してもらえたり、頻度を減らしてもらえるなど、何らかの措置を講じてくれる可能性も高いため、まずは上司に相談してみることをおすすめします。
さいごに
ご紹介したようなアドバイスを実践しても一向に状況が改善されないという方も中にはいらっしゃるかもしれません。
激務による過労死やうつ病が大きな社会問題となっている現代においては、こうした環境に耐えながら現在の職場に留まり続けることはあまり得策とは言えません。
限界に達してしまう前に、転職という手段によって激務から逃れることも有効な選択肢と言えます。
調剤薬局やドラッグストアの中には残業がほとんどなく、有給消化率が100%近いところも数多くあります。
病院薬剤師の方は高いスキルを持っているため、インターネットなどで十分に転職先の下調べをしたうえで応募すれば、理想的な職場に就職できる可能性も高いことでしょう。
無理をして激務に耐えているうちに体を壊してしまうよりも、気力・体力が残っているうちに新たな職探しを始めることも大切といえるでしょう。