「病院に就職したものの、最近どうも自分にはこの職場が向いてないような気がする…」こんな風に考えている病院薬剤師の方はいらっしゃいませんか?

就職前には理想的と感じていた職場も、実際に勤めてみると厳しい現実に直面してしまい、自分には不向きであったことに気づかされるというのは良くあることです。

そこで、今回は病院薬剤師に向く人・向かない人の特徴について解説していきたいと思います。

皆さんも自分がどちらのタイプに当てはまるかを考えながら読んでいただければ幸いです。

病院薬剤師に向いている人

病院薬剤師に向く人は以下のような特徴をもつ人といえます。

向上心が旺盛な人

病院薬剤師の業務には高度な薬学的知識が必要となるため、仕事を続けていくためには積極的に勉強して知識の向上を図る姿勢が非常に重要になります。

そのためには高いお金を払って分厚い専門書を買ったり、交通費を払って地方で開催される学会に出席したりしなければなりません。

このように、多くの時間や費用をつぎ込んででもスキルアップを図りたいという強い向上心がある人は病院薬剤師に向いているといえます。

激務に耐えられるバイタリティのある人

病院薬剤師の仕事は大変激務であり、これに耐えられるだけの強いバイタリティが必要になります。

残業、夜勤、宿直、会議、学会など日々の業務は働きづくめであり、休日や休憩すら取れないこともあります。

しかも、疲れが極限までたまった状態でもミスの許されない仕事であるため、常に神経を張り詰めながら正確に業務をこなさなければなりません。

また、院内という病原菌やウィルスが蔓延する場所が仕事場となるため強い免疫力や抵抗力も必要になります。

このように病院薬剤師には肉体的にも精神的にもタフさが求められます

逆に、ひ弱な人、病気がちな人、精神面が弱い人などには病院という職場は不向きと言えるでしょう。

プライベートよりも仕事を優先できる人

病院薬剤師は一般にプライベートの時間を確保するのが難しい仕事です。

残業のため定時に帰れないことも多く、休日にまで学会に参加しなければならないこともあります。

また、毎月当番制で夜勤や当直が回ってくることもあり、多くの時間を拘束されます。

このため、病院薬剤師に向いているのは私生活の大部分を仕事に捧げることのできる人であり、そのためには仕事が好きであることが前提条件になります。

「デートをしたり友達と遊んだりするよりも仕事に打ち込んでいる方が充実感を感じる」などという人は病院にうってつけの人材だと言えるでしょう。

人と接するのが好きな人

一般に病院薬剤師には高いコミュニケーション能力が求められます。病棟業務では医師や看護師、患者さんなど様々な人と接しなければなりません。

また、ミーティングやカンファレンスなどの会合で発言を求められる機会も多々あります。

このため、人と接することが好きな方や苦にならないという方は病院薬剤師に向いていると言えます。

こうした人は、持ち前のコミュニケーションスキルを活かして職種を超えた様々な人たちと交流を通じて見識を深めていくと良いでしょう。

病院薬剤師に向いていない人

反対に、病院薬剤師に向かないのは以下のような人であると言えます。

のんびり働きたい人

世の中には出世や競争とは無縁のまま、のんびりまったりと仕事をしたいと思う人も多くいます。

毎日あくせく働いて身体や精神をすり減らすよりも、薄給でも良いので楽な仕事がしたいという考え方は特に今の若い世代の方の特徴ともいえます。

個人的にはそうした仕事観もありだと思うのですが、こと病院薬剤師に限ってはそうした考え方は不適切といえます。

病院薬剤師は毎日が激務の連続であり、その業務の忙しさは息をつく暇もないほどです。

のんびり・まったりなどと言う言葉とは正反対の位置にあるのが病院薬剤師という仕事です。

こうしたものを求める方は、処方箋枚数の少ない調剤薬局や小規模のドラッグストアが向いており、少なくとも病院は自分の居場所ではないことを認識するべきでしょう。

プライベートな時間を確保したい人

病院薬剤師の仕事は一般に激務であり、残業は付きものといえます。

また、病院薬剤師は最先端の知識を吸収するために数多くの勉強会や学会に出席する必要があるため、休日がつぶれるといったこともざらにあります。

このため、「早く家に帰りたいから残業は絶対に嫌!!」「休日は友達と遊びたい!」といった、プライベートの時間を確保することに強いこだわりがある方は病院での仕事は向かないといえます。

病院で働く以上はどうしても滅私奉公の覚悟が必要となります。

厳しい言い方ではありますが、プライベートを犠牲にしてでも仕事に打ち込めるような方でないとこの先長く勤めていくことは難しいでしょう。

高給を希望する人

高いお給料を望む人も病院勤務には向きません。

一般に病院は給料が安いことで有名であり調剤薬局やドラッグストアと比べると年収で50~100万円ほど低いと言われています。

また、昇給のペースも遅く、病院によってはいつまでたっても同じ給料のままということもあります。

短期間での昇給を望む方や「薬剤師の平均給料以下の給料は嫌!」という方には病院での仕事はあまり向かないといえます。

向いていない人はどうすればいい?

今回ご紹介した病院薬剤師に向く人・向かない人の特徴のうち、皆さんはどちらに当てはまりましたか?

向く人の特徴すべてに当てはまるというあなたは、病院薬剤師の仕事は天職であると言えるでしょう。

是非、このままお仕事を継続し、キャリアアップを目指されてください!

一方、向かない人の特徴のうち、ほとんどが当てはまってしまったというあなたは、残念ながらこの仕事はあまりお勧めできません。

仕事には人によって向き・不向きがあるのは当たり前のことです。

自分に向かない職場にいつまでもとどまっていても、ストレスがたまるだけであまりメリットはありません。

特に20~30代の若い方でしたらなおさらです。

今後の長い仕事生活を考えた場合、早いうちに見切りをつけて自分にふさわしい職場を探す方がはるかに充実した人生を送れる可能性が高いといえます。

今一度、自分の性格が仕事に合っているかどうかを良くお考えになり、どうしても向かないと感じるようでしたら転職も視野に入れることをお勧めいたします。