「最近残業ばっかりで嫌になる!」「うちの職場は残業代が全然支払われない!」こんな悩みを抱えている病院薬剤師の方はいらっしゃいませんか?
どんな仕事にも繁忙期があるため、多少の残業は仕方ないですが、それが常態化してしまうと問題ですよね。しかもそれがサービス残業であればなおさらです。
労働基準法には、1日に8時間を超える労働が発生した場合には25%の割増賃金を支払わなければならないことが明記されています。
割り増し賃金を支払わないどころか、通常の賃金さえも支払わずにサービス残業をさせる職場は完全に法律違反の状態であり、こうした病院に勤めている方は今すぐ転職を考える方が良いかもしれません。
薬剤師の労働単価は決して安くありません。不当な労働条件に甘んじることは自分を安売りすることにもなります。
いつまでもサービス残業に耐えながら現在の職場に留まるよりも、自分の能力を正当に評価してくれる新たな職場を探す方が賢明といえるでしょう。
また、たとえサービス残業ではなくとも残業が常態化し、私生活に大きな悪影響が生じている方も同様に転職を考えるべきといえます。
そこで今回は、こうした残業に悩む病院薬剤師の方を対象に、転職によって解決を図る方法をパターン別でアドバイスしたいと思います。
残業が少ない病院に転職する
残業が少なく働きやすい病院を見つける際には事前の入念なリサーチが必須になります。
募集要項やインターネットの口コミ掲示板などで残業を含む勤務条件についての情報を集めるのが手っ取り早いですが、それだけではなかなか十分な情報が手に入りません。
そんな時には職場見学会に参加することをお勧めします。見学会では現場で働く先輩薬剤師の方々の生の声を聞ける機会があることも多いです。
後悔しない転職を実現するためにも、様々な病院の見学会に出席して是非とも現場の生の声を収集しておきましょう。
残業が少ない他業種に転職する
どうしても残業を避けたいという方は病院以外の職場に転職する方が確実かもしれません。
一般に病院はどこも経営が厳しく人員に余裕がないため、最小限のスタッフで仕事を回しているところが多いためです。
このため、以下のような残業が少なめの他業種に転職することも考慮することをお勧めします。
ドラッグストア
ドラッグストアも病院と比べて全体的には残業が発生しにくいといえます。
ただし、残業の発生頻度は勤める企業によって大きく変わることもあるため事前の情報収集が欠かせません。
ドラッグストアでは店舗の規模が大きいほど業務量が増えて残業になりやすいといわれています。
このため、定時上がりを希望される方はできるだけこじんまりとした店舗のドラッグストアに応募するようにしましょう。
また、地方や僻地であるほど残業は発生しにくくなります。田舎暮らしでもかまわないという方は地方への移住を検討するのも良いかもしれません。
ただし、ドラッグストアは一般に閉店時間が20~22時前後と調剤薬局に比べて遅いことには注意が必要です。
遅番のシフトですと通常はこれらの時刻に退勤することになりますが、そこから残業が発生すると夜中まで残らないといけなくなります。
このため、採用面接時には夜中まで勤務する可能性があるかどうかについてはしっかりと確認しておくようにしましょう。
調剤薬局
調剤薬局は病院と比べて全体的には残業が少ない傾向にあります。
ただし、薬局の立地や処方箋枚数によっては残業が常態化しているところもあるため転職する際には慎重に検討する必要があります。
残業の少ない調剤薬局を探すときにはもちろん求人広告に「残業無し」と書いてあるところに注目することは有効ですが、採用面接のときに本当に残業がないのかどうかをしっかりと確認しておくことも必要になります。
たとえば、入社した当初は残業がなかったのに人員不足の店舗に異動させられたとたんに多量の残業が発生するようになったという話もあります。
雇用契約書にサインをするときは残業についてどのように記載されているかを必ず確認するようにしましょう。
残業に関する事項を雇用契約書に記載することは労働基準法の定めであり、もし記載がない場合は必ず雇用者に確認することが大切です。
その際に曖昧な返事をしてきたり、記載を拒んだりするような職場はお断りする方が賢明です。
就業形態を変えてみる
残業を回避するためには就業形態を変えるという選択肢もあります。
以下のような形態で働けば残業をさせられる可能性は低くなりプライベートの時間もぐっと確保しやすくなります。
派遣薬剤師として働く
正社員として働く以上は多少の残業は避けられないといえますが、派遣薬剤師であれば話は別です。
派遣薬剤師の場合は通常、1日の労働時間が契約によって明確に定められており、定時に退社することができます。
これは、派遣薬剤師は正社員やパートタイマーと比べて時間当たりの単価が高く、会社側としても労働時間は残業は避けたいという事情もあるためです。
ただし、極端に人手が足りない職場や多忙な職場では派遣薬剤師といえども残業を要求してくる場合もあるため、就業前に派遣元のスタッフを通じて残業の有無を確認してもらうことは必要になるでしょう。
また、派遣薬剤師であれば少なくともサービス残業が発生する可能性はまずないといえます。
これは派遣先の薬局にとって派遣薬剤師は外部のスタッフであるため、自社都合によるサービス残業を強要することは訴訟問題にもなりかねないためです。
このように残業を避けてプライベート時間を確保するためには派遣薬剤師という形態はかなりお勧めといえます。
正規雇用に強いこだわりがあるのでなければぜひ検討されることをお勧めします。
パートタイマーとして働く
パートタイマーは正社員と比べて残業をさせられる可能性がぐんと低くなります。
通常、どの職場でも残業は正社員が優先的に担当するため、よほどの繁忙期でなければパートタイマーまで残業をさせられることはありません。
また、パートタイマーは通常は時給制のため、固定給で働く正社員のようにサービス残業になることは滅多にないといえます。
さらにパートタイマーであっても薬剤師は時給が高いため、就労時間数によっては正社員なみの給料をもらうことも十分に可能です。
このように残業を回避するためには派遣労働者同様にパートタイマーも非常に有効な手段といえるでしょう。
さいごに
このように、現在の職場の残業問題を解決するには転職という手段が最も手っ取り早くて有効といえます。
不当な残業から抜け出してより良いワーク・ライフ・バランスを実現するためにも、是非、外の世界に目を向けて新生活への第一歩を踏み出していただければと思います。