病院薬剤師の給料には病院の種類ごとに幅があることはご存じでしょうか?

一口に病院といっても国公立病院から民間病院、大学病院と様々であり、どの病院に就職するかによって薬剤師の給料も大きく変わってきます

そこで、今回は病院薬剤師の給料について、病院の種類別ランキングをご紹介したいと思います。

現在病院で働いているけど安い給料に悩んでいる方、病院薬剤師に転職したいけどどうせなら高い給料が欲しいと考えているかたなどはぜひ参考にしていただければと思います。

なお、ここでご紹介するランキングはあくまでも各病院の平均的な給与相場に基づくものですので、実際にはこの順番どおりにならない職場もあることにはご注意ください。

第1位:国立病院機構

国立病院機構で働く薬剤師は国家公務員扱いになるため、長期的に見れば病院薬剤師としてはかなりの好待遇が期待できます。

初任給は月給20万円程度とそれほど高くはありませんが、勤続年数に伴って着実な昇給を見込むことができます

30代では年収は500万円台、40代では600万円台となりこの頃には民間企業の平均年収を上回ります。

また、薬剤部長などのトップポジションに着けば年収が800~1000万円とかなりの高給となるところもあります。

退職金も充実しており、勤続35年以上ですと1000万以上と民間病院と比較してもかなり高くなります(公務員薬剤師は1年以上勤務すれば退職時には退職金が支払われます)。

さらに住居手当や配偶者や子どもの扶養手当、期末勉強手当などの各種手当てが支給される場合もあり、福利厚生面でもかなりの好待遇といえるでしょう。

あくまでも長期勤務が前提となりますが、病院薬剤師の給料においては国立病院機構が最強といえます。

第2位:公立病院

県立病院や市立病院などの公立病院で働く薬剤師は地方公務員に分類されます。

地方公務員は初年度の月給は国家公務員と同じく20万円程度と低めですが、やはり勤続年数とともに徐々に給料が上がっていくため、生涯賃金でみると上位のランクに入ります。

当然のことながら退職金もきちんと支払われ年2回のボーナスも支給されます。

生涯の平均年収は600万円を上回ることから民間企業の平均と比べても高く、病院薬剤師の中では国家公務員の薬剤師に次ぐ好待遇といえるでしょう。

第3位:地方独立行政法人

地方独立行政法人で働く病院薬剤師は公務員に準ずる扱いとなり、給与面での待遇はかなり良いといえます。

たとえば勤続年数10年程度の35歳の非管理職薬剤師の年収例は600万円程度となっており、民間病院と比べて十分に好待遇といえるでしょう。

また、当然のことながらボーナスも支払われますし、各種手当ても充実しています。

第4位:国立大学病院

国立大学病院の薬剤師は公務員に準じる扱いになるため、他の公務員薬剤師と同様に生涯ベースでみると高い給料が期待できます。

平均年収は550~600万円ほどで、ボーナス、退職金も支払われるため、民間病院と比べて好待遇といえるでしょう。

第5位:公立大学病院

公立の大学病院も国立大学病院と同様に準公務員的な待遇になります。

平均年収は500~600万円ほどであり、ボーナスや退職金も支給されます。

公務員同様に初任給は低く給料が上がるのには時間がかかりますが、長期的に見れば民間病院よりは好待遇であるといえるでしょう。

第6位:日本赤十字社

日本赤十字社で働く病院薬剤師は準公務員扱いであり、公務員に次ぐ好待遇を期待することができます。

初年度の年収は400万円ほどと他の民間病院と比べてそれほど変わりはありませんが、給与以外の福利厚生面や各種手当てが充実しているという特徴があります。

住宅手当、扶養手当、時間外手当などが各スタッフの状況に応じて支払われ、ボーナスも年に2回支給されます。

公務員薬剤師と比べると多少は待遇が劣るかもしれませんが、各種手当も含めて総合的に考えると民間病院よりも恵まれているといえるでしょう。

第7位:私立大学病院

私立大学病院の給与は大学によってまちまちですが、平均すると民間病院と大差がないといえます。

平均年収は450~500万円ほどであり、公務員や準公務員の病院薬剤師と比べると生涯賃金の点では不利になるでしょう。

ただし、私立大学病院は初年度に限ってみれば月給が25万円程度と公務員薬剤師より高めに設定されているため、短期的な給与を重視する方にはよいかもしれません。

第8位:民間病院

民間病院は病院によって程度の差はありますが、全体的に公務員や準公務員待遇で働ける病院と比較して給料が低い傾向にあります。

平均的な年収は450~500万円程度であり、病院の中では最低ランクといってよいでしょう。
各種手当てや退職金については経営者の方針によってまちまちです。

このため高い給料を望まれる場合は国公立系の病院の方がお勧めといえます。

さいごに

このように病院はその種類によって給料に差が出ることがおわかりいただけたと思います。

収入の高さは仕事をするうえでとても大切な要素です。

病院薬剤師の職に応募される場合は各病院のこうした特徴をしっかりと踏まえ、自分にとって納得のできる職場を選ぶようにしてください。