薬局に直接関わる法律

薬事法

薬局に関係している法律として見過ごすことができないのが、薬事法です。医薬品や医薬部外品などの安全性確保のため、規制を行ったり保健衛生を高めることを目的とされた法律ですね。調剤薬局の保健衛生についても述べられています。

管理薬剤師や薬局開設者の義務や責務なんかも記載されており、薬局は薬事法に遵守した経営がされていなければなりません。薬局運営に直接関わる法律です。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律とも呼ばれており、薬局については第3章で取り決めがされています。ここで取り決められているのは、薬局は都道府県知事の許可を受けなければ開設できないという点。

さらには、都道府県知事に申請書を提出する旨、申請書の内容や添付書類について。薬局開設の許可基準や薬局という言葉の使用制限、薬局の管理についてなどです。

薬剤師法

薬剤師全般の職務や資格などに関係している法律です。薬事関連法のうちのひとつという位置づけになっています。ここでは薬剤師は調剤や医薬品の供給などをつかさどり、公衆衛生向上・増進をするものとしています。

つまりは、薬剤師は患者に対して医薬品の調剤や提供を行うだけでなく、そのほか薬事衛生や公衆衛生を高めるために仕事をしなければならないということです。薬剤師の業務や免許、役割について言及している法律となっています。

その他の法律・制度

麻薬及び向精神薬取締法

麻薬や向精神薬というのは医療の現場で用いられますが、一般には規制されているものです。麻薬の麻薬輸出業者・麻薬元卸売業者または麻薬卸売業者・麻薬管理者などの免許についてこの法律で規定されています。

医師はもちろん、薬剤師もそれらの免許を取得することができるとしているのです。この法律が直接調剤薬局に関わってくるようなところは、精神科の薬を処方しているような調剤薬局ですね。そのほか医療機関全般においても身近な法律になっています。

覚せい剤取締法 毒物及び劇物取締法

覚せい剤や毒物及び劇物の保管や取り扱いについて取り決めている法律です。それらのものについては薬剤師が責任を持って保管し、取り扱うということがこの法律によって決められています。

覚せい剤取締法は、覚せい剤の濫用によって保健衛生上の危害が発生するのを防ぐために覚せい剤を取り締まっている法律です。現物・原料の輸入や輸出・所持・製造・譲渡・受け取りや使用について必要な規制をすることを目的としています。

これも、薬剤師や薬局に深いかかわりのある法律と言えるものですね。

毒物及び劇物取締法は、毒物や劇物についての指定を行い、製造や輸入・販売と取り扱いの規則を定めています。毒物や劇物はきっちりと表示わけしておくという点や、薬剤師が責任を持って管理しなければならないという点が規定されている法律です。

社会保障制度

社会保障制度は、医療や介護などについての制度であり、薬剤師及び薬局もこの制度の影響を受けています。社会保障は、社会福祉と公衆衛生を司っている概念であり、その目的は多くの国で共通されているものです。

医療や福祉について定められているものなので、社会保障制度が変われば薬局のあり方も変わってきます。それほどまでに影響力の強い制度というわけです。

健康保険法 国民健康保険法

日本の医療を語る上では外せないのが健康保険という制度です。国民皆保険制度というものがあり、日本国民は一定の自己負担額でいつでも必要な医療を受けることが可能になっています。国民全員が何かしらの健康保険に入ることになるのです。

薬局でも保険証の提示を当たり前のように求めます。当たり前なので意識することがなかなかない制度なのですが、薬局もこの制度の影響を受け、処方医薬品の自己負担額が一定になっているのです。そのため、薬局に大いに関係している法律であると言えます。

高齢者の医療の確保に関する法律

この法律は、高齢者の福祉向上・公衆衛生向上や難病対策推進などが定められている法律です。近頃は高齢者に対して薬を宅配するような薬局もあります。高齢化社会である日本では、薬局と高齢者医療は切っても切れない関係になっているのです。