処方箋の枚数について

薬剤師1人あたり何枚まで?

処方箋の枚数によって、薬剤師の配置義務というものが定められています。それは逆に言えば、薬剤師1人あたりにつき処理できる処方箋の枚数と言うことができますね。薬剤師1人あたり、処方箋は40枚までが限度と定められているのです。

薬局を開業した場合、40枚までなら自分だけで営業できるわけですが、40枚を超えたとすれば、新しく人を雇わなければなりません。ただ、現実問題としては、処方箋枚数が一人40枚以上を超えることが多々あります。

求人なんかを見ていると、一日の平均処方箋枚数が50枚としているのに1人しかいないということがあります。だからこそ人を増やそうとしているわけです。1人40枚を超える枚数で長い間営業していると、規制が入りかねません。

処方箋の枚数によって売り上げも変わる

処方箋の枚数というのは、調剤薬局の売り上げに関わってきます。単価については後で述べますが、処方箋一枚につき点数が定められているのです。その点数によって売り上げが変わります。調剤報酬には技術料と薬学管理料・薬剤料というものがあるのです。

技術料は調剤基本料と調剤料とがあり、細かく見ていくと話が脱線してしまいそうなので割愛しますが、それが処方箋枚数が関わってくるところになります。平成26年度に薬価改定が行われましたが、多くの経営者が調剤基本料に注目しました。

一月あたり、平均4000回以上の調剤回数で、なおかつ集中率が70%を超えている保険薬局と、月平均2,500回以上の調剤回数で、なおかつ集中率が90%を超えている保険薬局については1回の処方箋受付で25点とするものです。これが、規制ですね。

それ以外の調剤薬局は処方箋1回につき41点としています。わかりやすくいえば、100枚をから160枚を超える処方箋を扱っている調剤薬局の処方箋の単価が下がったということです。忙しいのに儲からないというジレンマを抱えることにより、調剤薬局ひとつに対する処方箋の集中を少しでも緩和させようということになっています。

処方箋の枚数と単価・売り上げについて

処方箋の単価は科目によって違う

処方箋と売り上げの関係について述べましたが、処方箋には単価というものがあります。処方箋の単価といいうのは、科目ごとに違うため、一概には言えません。また、インターネット上にも情報が少ないです。

基本的には先ほど述べたとおり処方箋受付1回につき41点となっていると述べました。ただこれは、処方箋の単価とは少し違うのです。処方箋単価は科目によって異なると述べましたが、だいたい一枚400点から2000点ほどとなっています。この点数というのは、調剤薬局の売り上げに繋がるわけです。

1日40枚で採算はとれるか

求人を見ていると、1日の処方箋科目が40枚以下というところも少なくはありませんよね。1日40枚程度で新しく薬剤師を雇って、採算とれているのだろうかと疑問に思ったことがあるという人も多いでしょう。

処方箋の科目によって利益は代わりますが、例えばメチコバール 3T1日に3回、30日分という処方箋が1日に40枚来たとして計算してみます。この処方箋は合計180点となりますが、そのうちの薬剤料については元手がかかっているため、純利益とは言えませんね。

薬剤料以外を計算してみると、だいたい163点となります。1枚あたり1630円の利益があるということになり、これを1日40枚として月に25日営業しているとすれば、月163万円が粗利益となるわけです。そこから賃料や人件費・水道光熱費などを引くと、営業利益になります。

1人だと余裕で採算が取れていそうですが、薬剤師を2人、事務員も雇っていた場合はギリギリといったところですね。

処方箋枚数と給料は比例しない?

処方箋枚数と単価、売り上げについて語ってきました。基本的には処方箋枚数が多いと儲かりそうなものですが、給料と処方箋枚数はあまり比例しません。求人を見ていると、一日40枚というところも90枚というところも変わらない給料になっているでしょう。

薬価が下がったりしたことも原因となっているのですが、40枚につき1人というのを守っていると、1人あたりの負担というのは、どこも変わらないのです。そのため、法律を遵守している限り、給料とは比例しません。