食品メーカー薬剤師の仕事内容
薬剤師の職場として、ほとんどの人がイメージしないであろう「食品メーカー」も、薬剤師の立派な活躍場所です。かなり少数派ではありますが、食品メーカーで働く薬剤師もそこそこいます。
そんな食品メーカーでの仕事内容、働くメリットやデメリットはどのようになっているのでしょうか。
食品メーカーで働く薬剤師の仕事内容
食品メーカーにおける薬剤師の役割は、食品の安全管理などです。
食物が安全かどうか確かめる
食品メーカーでの薬剤師の仕事内容のひとつに、使う食物が安全かどうかを確かめるということがあります。これは一見、薬剤師の仕事としては首を傾げたくなるようなものに見えますが、しっかりと薬剤師の分野です。薬剤師は薬という視点から人の健康を支えているもの。
食品メーカーは食べ物という視点から人の健康を支えるものですから、その健康を害さないための確認をするというのは薬剤師の仕事としておかしなことではありませんよね。
食品添加物の分析
食品メーカーでは食品添加物を扱うことが多いです。いまどき添加物無しの加工食品って、あまり見ませんからね。冷凍食品とかなら確実に含まれている食品添加物。使う添加物は安全かどうか、成分から調べます。
また、その添加物を使うとどのような効果を食品にもたらすことができるのかも成分から分析し、どの添加物を使えばいいのかを判断するのが仕事です。添加物が食品にもたらす効果には、「防腐剤」としての効果や「消費期限を伸ばす」といった効果が一般的ですね。
食品添加物の研究・調査
また、新しい商品をつくるということのほかに、食品添加物について研究・調査をするという仕事もあります。各食品添加物の成分やもたらす影響、悪影響の少ないものはどれかなどを研究し、新しい食品添加物が無いかなどを調査します。
現在の動向を探るという意味もありますし、新商品開発にも大きく影響してくるのでとても大切な仕事ですよ。
意外な仕事もある
食品メーカーとしては意外でもないのですが、薬剤師としては意外な仕事もたくさんあります。
例えば、食品の品質管理と味の研究です。これはかなり抽象的でわかりづらいことですよね。美味しさに対する見解というのは人それぞれ。そんな人によって見解が異なるような曖昧な味に対して、科学的アプローチで分析をしてくのが薬剤師の仕事になります。
このうまみ成分があるから美味しいはずといった感じですね。
また、食品の安全性や品質というのは病気とも関連が深いため、医療や医薬品の知識を活用してアレルギーの原因となる原料が含まれていないかを判別・特定する仕事もあります。生活習慣病にならないように、原料を研究することもありますよ。
薬剤師が食品メーカーで働くメリットデメリット
食品メーカーで薬剤師が働くメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
食品メーカーのメリット
薬剤師が食品メーカーで働くメリットは、さまざまな仕事が経験できるということです。医薬品に関わってくることだけではなく、食品添加物ゆあ栄養についても詳しくなることができるので、その分やりがいは大きいですね。
また、自分が関わった食品がスーパーなどに置かれたときにはかなり嬉しいもの。そういったやりがいもありますし、他の職場で働くのとは違った視点から人々の健康についてアプローチをかけることができるというのも良いですよね。
他と違うことができるというのが、食品メーカーで働くメリットです。
食品メーカーのデメリット
デメリットは、「医薬品に関わることができない」ということでしょうか。薬剤師なのに食品とばかり向き合っている・・・と切なくなる人も少なくはありません。
あとは、求人が少なく人気が高いので競争率が高いということがデメリットとして挙げられます。
まとめ
食品メーカーでの仕事は、食品の安全に関わること。その幅はとても広く、食品添加物の分析から味の分析までを行います。メリットは、他の職場では経験できないことを経験できること。デメリットは医薬品と関わることがないということと、競争率が高いということでした。
他とは違うことがしたい、食品添加物について興味があるという人にはおすすめできる仕事ですが、断固として医薬品にかかわりたいという人には、決しておすすめできない仕事です。