薬剤師の配置基準ってなに?
病院・薬局の規模によって定められている
薬剤師の配置基準というのは、病院・調剤薬局の規模によって定められている、薬剤師の最低人数について設定しているものです。この薬剤師配置基準を満たしていなければ、病院や薬局は営業ができなくなります。
この配置基準というのは、医療法に基づいて定められています。医療法では、適正な医療を実施するために、一定水準以上の従業員を確保しなければならないとしているのです。そのため、病院や調剤薬局、診療所などにおいて人員の基準が定められています。
これは薬剤師だけでなく、医師や看護師についても定められているものです。
いつごろ示されたもの?
人員配置基準というのは比較的新しいもので、2007年に厚生労働省によって示されてから始まりました。病院内の薬剤師の重要性を再確認し、薬剤師を十分に病院に確保しなければならないことを示すものです。
それまでの配置というのは、患者80人に対して薬剤師が1人という基準になっていました。時代が進んでいくと薬剤師の仕事が幅広くなり、多くなっていったのです。調剤技術が進歩したので、服薬指導薬歴管理といった仕事が増えて、入院患者も増えました。
これが現在の配置基準にもなっています。ちなみに、薬学部が6年生になったのも、配置基準が変更されて現在の形になったときですね。
具体的な薬剤師の配置基準について
薬局の配置基準
薬局の薬剤師の配置基準は、処方箋枚数によって決められています。1日に応需する平均処方箋枚数が40枚以下であれば、1名配置しなければなりません。つまりは40枚増えるごとに最低基準が1人増えていくことになります。
ただ、眼科や耳鼻咽喉科・歯科の処方箋数については、3分の2に換算して基準を定めるとしています。これが調剤薬局の薬剤師配置基準です。これは先述しているように「最低限必要な人員」の基準として考えられるべきもの。
現代の医療技術の発達のスピードや医療のスピード化・患者数の増加などを考えた場合には、最低基準を満たしていても患者さんの納得のいく・満足のできるサービスが提供できないことが多いでしょう。配置基準さえ満たしていればいいというわけでもありません。
忙しい薬局とそうでない薬局を見分ける際の基準としても使うことができる考え方です。
病院などの配置基準
病院の配置基準について薬剤師にのみ絞って説明します。まず一般病院の中でも、「一般」「療養」「外来」という三つの区分で人員配置基準が定められていることを知っておきましょう。
一般については入院患者70人につき1人の薬剤師が必要とされており、療養は150人につき1人の薬剤師が必要とされています。外来に関しては75枚の処方箋につき1人の薬剤師と定められており、薬局とは大きく異なった基準となっていることがわかりますね。
また、特定機能病院についても定められているのです。入院と外来の二つの区分があり、入院は全ての入院患者30人につき1人、外来は調剤数80につき1人としています。療養病床を有する診療所については、薬剤師の基準が定められていません。
まとめ
薬局を開設する人もそうですが、薬局や病院で働く薬剤師にとっても、配置基準を知ることは大切なことです。配置基準はその職場の忙しさを知るためにも大切な基準になります。転職者は配置基準と現状を照らし合わせて求人を探すようにすると、忙しすぎる薬局に転職することを防げるのではないでしょうか。
そういった意味でも、薬局や病院における薬剤師の配置基準はしっかりと頭に入れておきましょう。薬局は40枚に1人、一般病院は70人につき1人です。