労働衛生コンサルタントの資格概要
労働衛生コンサルタントというのは、厚生労働省管轄の国家資格です。労働安全衛生法に基づいている資格で、仕事も同じ法律で規定されています。クライアントさんから報酬をもらって労働者の衛生水準向上をはかるために事業所の衛生診断や指導を行っています。
ここでいう労働衛生というのは、職場の施設の清潔さなどの保険衛生的なことはもちろんですが、従業者の生活が心身共に健康に行うことができているかということも含んでいます。つまりは労働者にとって快適な環境ということです。
それをつくっていくお手伝いをするのが労働衛生コンサルタントの役割。結果的に改善させるのは事業所にゆだねられているところになりますが、少しでも労働衛生がよくなるように頑張るのが労働衛生コンサルタントの仕事です。
労働衛生コンサルタントに必要な知識や技術
労働衛生コンサルタントにとって必要な知識は、労働衛生の一般的な知識、労働衛生に関係している法令に関する知識、健康管理のしかたや労働衛生工学について。さらには保健衛生といった知識が必要になります。
大雑把にいうと労働衛生についてと保健衛生についての深い知識ですね。それらを頭の中にインプットして、自分の意志で自由にいつでも取り出せる上体にしておく必要があります。
また、労働衛生環境というのはぱっと見ではわからないもの。働いている人々の様子をじっくり観察してはじめて見えてくるものというものがあります。人の様子をじっくりと観察し、その人が何を考えているのか。人間観察の能力や、周りを見る力というものも必要ですね。
労働衛生コンサルタントになるには
受験資格
- 大学を出ている
- 専門学校で理科系統の課程を修めて卒業し、その後5年以上にわたって衛生の実務を経験した
- 短大や高等専門学校で理科系統の課程を修めて卒凝視、その後7年以上にわたって衛生の実務を経験した
- 高校や中学校で理科系統の学科を修めて卒業し、その後10年以上衛生の実務を経験した
- 医師免許を持っている者・医師免許を受けたとみなされた者・医師免許を受けることができる者
- 歯科医師(以下、医師免許と同じ)
- 薬剤師
- 保健師助産師看護司法第2条の保健師として10年以上の実務経験を持っている者
- 技術士試験合格者
- 1級建築士試験合格者
- 労働安全衛生法第12条第1項に規定されている衛生管理者のうち、衛生工学衛生管理者免許を受けた者で、その後3年以上にわたって衛生に係る技術的事項において衛生工学に関するものの管理の業務についていた経験のある者
- 労働安全衛生法第12条第1項に規定されている衛生管理者として10年以上仕事をした者
- 厚生労働大臣による登録を受けた者が行う衛生に関する講習を修了、なおかつ15年以上衛生の実務経験を持っている者
以上のような受験資格があります。以上のほかにも細かく規定があるのですが、薬剤師であれば「薬剤師」の項目を満たしているだけで受験ができるなど、規定全てを満たすというものではないので安心してください。
試験について
労働衛生コンサルタントは、厚生労働省管轄の国家資格ですが、試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会というところが行っています。試験は筆記試験と口述試験とに別れており、それぞれ合格することになります。ただ、口述試験に関しては「保健衛生」か「労働衛生工学」かのどちらかひとつを受験するという選択式。
筆記試験は、労働衛生一般・労働衛生関係法令・健康管理、労働衛生工学の三つの科目があります。労働衛生一般と労働衛生関係法令は択一式の試験方式になっていますが、健康管理、労働衛生工学に限っては記述式です。試験時間はそれぞれ120分・60分・120分。
口述試験は15分程度の試験時間になっています。
薬剤師は労働衛生一般の課目が免除されるので、筆記試験は労働衛生関係法令・健康管理、労働衛生工学のふたつだけです。
労働衛生コンサルタントの活躍の場
労働生成コンサルタントの活躍の場は、コンサルタント事務所です。弁護士や司法書士のように事務所を構え、労働衛生についての相談に乗るといった仕事になります。個人事務所であったり誰かの事務所で働いたりと自由ですが、たいていは自分の事務所を持っています。
日本の労働衛生は年々悪化しているとも言われているくらいなので、将来性はあるでしょう。