診療情報管理士の資格概要
診療情報管理士は、日本診療情報管理学会が実施している民間資格です。
昨今は、医療情報の提供などに関して新しい体制をとろうとしているところも増えてきました。医療現場においてもIT化を推進する動きがあるなど、体制の改革は進んでいます。厚生労働省の疾病分類によってそれまで一定のコードがなかったものについても一定のコードに準拠するという方針が示されてから、診療情報管理の重要性はとても高いものになりました。
そんな現在、診療情報管理というとても重要な業務を行う役割を担うのが診療情報管理士というわけです。カルテと検査記録法のエキスパートでありプロフェッショナルということになります。
診療情報管理士に必要な知識や技術
診療情報管理士が行うのは、カルテ収集と内容チェック・データ入力とコーディング・データの分析と活用・管理について。どれもデータに関する仕事です。医師が書いたデータを正確に保管することのできる管理能力。
保管した情報について統計をとって分析をする力と知識が必要とされます。特に統計に関してはしっかりとした知識に基づいて行う必要があり、難しい仕事です。医療というのは患者さんひとりひとりの情報も大切ですが「傾向」というのも大切なもの。
それを把握するためにはきっちりと統計をとらなくてはいけません。データをただ保管し管理するだけではだめで、いろいろな分野の知識が問われます。患者さんと接することはあまりないのですが、病院が正しく健全に運営していけるように裏方として支える大切な仕事で、裏方としての高い能力が問われるというわけです。
診療情報管理士になるには
受験資格と試験について
診療情報管理士の試験を受けるために必要な資格はとても単純です。社団法人日本病院会が認定指定校としている大学や専門学校にて必須科目を履修した人または、日本病院会が主催している通信講座を受講した人。それらの条件を満たしていれば試験を受けることができます。
通信教育は問題集を中心としたものですが、通信教育を受けている期間の間にスクーリングも受けなければいけません。スクーリングというのは自宅で受けられるものではなく、受講者が一箇所に集まって集団で受ける講習のこと。
通信教育で基本的には全国どこでも受けられるとはいっても、スクーリングの際には所定の場所まで出向いて受けなければならないということですね。
まったく関係ない大学を出た人は通信教育で受験資格を得ることになります。同時に試験対策にもなるので、ほとんどの人は通信教育を受けてから試験を受けている傾向があるので、基本的には受けるものと思っておきましょう。
ただし、通信講座は全過程を修了するまでに2年要します。受けようと思い立ってから1年で試験が受けられるわけではないので注意してください。
試験の方法については筆記試験で、毎年2月に1回だけ行われます。落ちたらまた来年受け直しになるので気をつけましょう。試験の開催場所は全国で16都市。一応全てを羅列しておきます。
北海道・宮城・栃木・東京・新潟・長野・愛知・三重・大阪・岡山・広島・高知・福岡・熊本・鹿児島・沖縄。
以上の16都市のうち一番近いところで試験を受けることになります。会場の詳細については毎年変わるということもあるので、試験に申し込む際には必ずチェックしておきましょう。
試験科目については基礎分野・専門分野・分類法という三つの分野に大別されます。細かく見ると、医療概論や人体構造・機能論という基礎分野、医療管理総論・医療情報学といった専門分野などに別れています。
もちろん、それ以外にもさまざまな科目がありますが、すべて通信講座で学ぶこと。
なお、薬剤師は診療情報管理士通信教育を受けることで基礎分野が免除されることになっています。医師や看護師も同様に免除されるのでお得です。
受験料は10,000円。合格した際には認定料としてさらに30,000円かかります。
診療情報管理士の活躍の場
診療情報管理士が活躍できる場所は、病院などの医療現場ならどこでもあります。医療を行う現場には必ずカルテが存在する。医療機関ならどこでも活躍できるということから、この資格を持っていると転職の幅も広がり、とても有利です。