健康運動実践指導者の資格概要

健康運動実践指導者は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が実施している認定資格で、2015年7月の段階で20,124名の資格認定者がいます。

健康・体力づくり事業財団が行っている認定資格に、健康運動指導士というものがありますが、それだけだと今後さらに悪化すると考えられる少子高齢社会に対応できない。そう考え、少子高齢社会に対応した新しい役割の人間が必要だということで健康運動指導者という資格が生まれました。

健康運動実践指導者は、自分自身が見本となって運動プログラムを実施し、集団に対して運動指導を行うという役割を担っています。日本国が直面しているさまざまな健康問題や課題を解決するため、焼酎高等学校の学校教育から健康運動実践指導者が関わる。健康をきっちりと自己管理できる資質を育てていくという役割もあります。

健康運動実践指導者に必要な知識や技術

ただ指導するだけではだめで、自分自身が見本とならなければいけません。より実践的な指導を行わなければいけないということで、知識も大切ですが行動力と指導技術が健康運動実践指導者にとっては大切。

特に、集団に対して指導をする技術が必要です。個人指導をするのであれば得意という人も集団指導は苦手ということが多い。集団に対して指導を行うということは、集団を束ねなければいけないということ。人間はそれぞれ別々のことを考え、別々の能力を持ち、別々のことをします。

それら人間の個性を殺さずうまくまとめあげ、ひとつにし、指導をしなければいけません。薬剤師の人は薬学の知識からアプローチをかけて運動や健康に関して指導を行うということも大切ですし、知識も大切になってきます。でも、最も大切になってくるのは教育者としての資質というわけです。

健康運動実践指導者になるには

受験資格と資格取得のおおまかな流れ

受験資格はいたって簡単。健康運動指導者養成校を修了していること。大学の場合、大学2年以上は健康運動指導者養成講座の課程を修了していなければいけません。短大・専門学校の卒業見込みであることも受験資格にありますが、卒業後に新規申し込みはできません。

また、体育系の短大や専門学校を卒業して、講習会を受講すること。3年以上の実務経験を有し、なおかつ講習会を受講することも受験資格になっています。

流れとしては、まず健康運動実践指導者養成校か体育系短大・専門学校を卒業。前者の場合はそのまま認定試験を受けますが、後者の場合はまず講習会を9日間33単位漏れなく受講してから認定試験を受けることになります。

認定試験には実技と筆記がありますが、そのどちらとも合格する台帳登録を行う。そこで資格認定が完了します。そこで健康運動指導者の資格を活かして働く良し、薬剤師なら薬剤師として働きながらついでに資格を活かせる場所を探すのも良し。

各々活躍し、5年ごとに登録更新を受けます。登録更新は試験ではなく、再び講習会を受けるだけで完了します。

試験について

認定試験は一次試験の実技試験と二次試験の筆記試験が行われます。実技試験は、4,5名のグループに対して実際に運動指導を行う。その指導能力を審査員が審査するというものです。

種目は、エアロビックダンス・水泳などの水中運動・ジョギングやウォーキングの中から1種目だけ選択。その種目について指導を行います。自分の得意分野であるものを選びましょう。実演時間は4分間だけ。とても短い時間の中で、自らの指導力を発揮しなければいけません。

筆記試験に関しては、5肢択一のマークシート方式で行われます。筆記試験で問われるのは、運動生理学や医学の基礎知識。薬剤師の資格を取得している人であれば医学の知識に関しては全く問題ありませんね。

その他、試験の概要や詳細については毎年シーズンになるとホームページに貼りだされるのでチェックしておきましょう。

また、合格率などは公表されていませんが、6割から7割ほどの合格率なのではないかと考えられています。専門的な資格ではありますが、それほど難しいものでもないようです。

健康運動実践指導者の活躍の場

健康運動実践指導者は、フィットネスクラブで活動している人が最も多くなっています。その次に、病院・老人福祉施設・介護保険施設など、健康増進センター・保健センター・保健所などと続いています。

フリーランスで活動している人や、学校で先生として体育を教えている人、会社や団体などに所属している人もいますが数は少ない。薬剤師であれば病院で働きながら運動の指導を行うというのが一般的ですね。

転職の幅も広がりますし、薬剤師という立場を捨てて健康運動実践指導者の資格だけを活かして働くことも可能です。将来性も十分あるのではないでしょうか。