私たち薬剤師には様々な活躍の場があります。その選択肢の中の一つに、ドラッグストアがあります。

ドラッグストアに勤務する薬剤師ってどんなお仕事をしているか想像できますか?

「雑務が多そう…?」「レジに立っているイメージ…?」「薬剤師らしく仕事をしている印象はないよね。」

こんな声が多く聞こえてきます。筆者も実際ドラッグストアで勤務する前はそんな風に思っていました。

今回はそんな先入観を払拭すべく、ドラッグストアで勤務するメリットについて、ドラッグストア経験のある筆者がご紹介させていただきます。

ドラッグストア薬剤師のメリット① 待遇が素晴らしい

これはドラッグストアに勤務したことの無い方でもイメージしやすいと思います。

求人票を見ると、「年収600万円スタート!(しかも新卒で!)」「ボーナス年3回!(春、夏、冬!)」「社員専用保養所、1泊500円!(しかも高級リゾート地!)」というような宣伝文句が飛び交っています。

こんなの魅力を感じずにいられませんよね。本当にこんなに良い待遇なのでしょうか。

それは本当なのです。求人票で伝える項目では嘘はつけません。

ドラッグストアは他の勤務形態より仕事内容はハードなことが多いです。お休みも不定期なことが多いですし、拘束時間も長めです。

それくらい問題ない、それでもこの待遇が魅力的!という若い方はドラッグストアは十分勤務先として視野に入ると思います。

しっかり稼ぎたい方は是非検討してみてくださいね。

ドラッグストア薬剤師のメリット② やりがいを感じられる、自由度の高い仕事内容

個人的にこれは転職先にドラッグストアをお勧めする大きな理由です。

調剤薬局や病院は、基本的に医師がいて処方箋などをもとに、薬剤師たちは「指示通り」に動きます。

しかし、ドラッグストアでOTCを売るのに医師の処方はいりません。

お客さんの希望や症状に合わせて、薬剤師がお薬をコーディネートすることができます。

患者さんの体質や現在飲んでいる薬などを聞いて、漢方は好きとか嫌いとか、希望に合わせて選んであげることができると、大変やりがいを感じます。

近所の方ですとファンになってくれることもあります。健康食品やサポーターまで何でも相談してくれるリピーターのお客さんができると、「薬剤師やっててよかったー!」と思う場面もありました。

しかし、当然薬剤師はお客さんを診察することが出来ませんし、ある程度の医薬品や病態の知識が必要になります。また、OTCで対応しきれない場合は受診勧告も必要になります。

薬剤師としての職能を発揮したい場合は、きちんと勉強し、その知識のもと責任をもって提案できるようになりましょう。

また、お店によりますが薬の売り場づくりを任せてもらえることもあります。

ものづくりが好きな方だととても面白いようです。これが好きでドラッグストアをやめられない方ともお会いしたこともあります。(筆者はセンスが無かったのでそこは残念でした…。)

このように、薬剤師として薬に関わりたかったり、お店作りに携わっていきたい!と思う方には大きなメリットとなる「自由度」という特長がドラッグストアにはあります。

ドラッグストア薬剤師のメリット③ 人間関係に悩むことが少なくなる

調剤薬局は、狭い調剤室にたくさんの薬剤師が働いていることが多いです。

必然的に毎日同じ顔を見ながら同じ仕事をするので、一度人間関係にヒビが入ると修繕するのに大変苦労します。

また薬剤師は女性が多いですので、調剤薬局では女性社会をうまく乗り切るスキルが必要なことが多いです。

その点ドラッグストアは、基本的に薬剤師は少数です。他の従業員は多くいますが、薬剤師と密接に仕事をするような従業員は少ないです。

いい意味での「距離感」がありますので、あまり周りとベタベタするのが嫌!という方にはちょうど良い職場かもしれません。

「あの人嫌いなのに毎日顔見なきゃいけない…。」
「あの上司、私の顔見るたびにお小言言ってきて辛いんです…。」

そんな悩みを持った調剤薬局にご勤務の薬剤師さんは、ぜひドラッグストアを選択肢に入れてみて欲しいです。

薬剤師は女性が多いですが、ドラッグストアの社員さんは男性が多いです。

女性同士の人間関係に疲れた女性の方、また女性の派閥の間で板挟みが辛かった男性にもメリットがあり、オススメです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?ドラッグストアに勤務することのメリットを紹介させていただきました。

「新卒の入社先としてドラッグストアはどうなの…?」という声はよく聞きますが、ドラッグストアで勤務していてもお客さんとのコミュニケーションをしっかりとることで、薬剤師としての職能を発揮することができます。

また、大手のドラッグストアは研修がしっかりしていることが多いです。

商品知識やセールストークについてしっかりフォローしてくれたり、メーカーの担当者を招いて社内勉強会をしてくれたりするところもあります。

といっても、フォロー体制や働きやすさは店によって異なるので注意が必要です。

転職活動の際は、薬剤師専門の転職サイトを活用して、情報収集を怠らないことが大切です。

ドラッグストアへの転職を避けてきた方が、これを読んで転職先にドラッグストアを選択肢に入れていただければ幸いです。

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薬剤師が転職先としてドラッグストアを選ぶデメリット