皆さんは求人に応募する前に職場見学をしていますか?

最近はインターネットで求人を検索をすることが一般的ですが、Webサイトから得られる情報には限りがあります。

就職・転職は今後の人生を大きく左右する一大イベントであり、応募先は安易に選ぶものではありません。

事前に職場見学に参加して、実際の職場の雰囲気、スタッフの働く様子、調剤室や病棟の設備など細かな点を確認してから応募することで、職場選びに成功する確率はぐんとアップします。

そこで、今回はこうした職場見学をする際に注目すべきポイントについて解説して行きたいと思います!

職場見学時に質問しておきたいポイント

ここでは職場見学の際に担当者や現場スタッフに聞いておきたいポイントについてご説明します。

見学会は現場で働くスタッフの生の声を聞くことのできる貴重なチャンスです。以下に紹介する項目についてはしっかりと確認しておきましょう!

一ヶ月の平均処方箋枚数

一ヶ月の処方箋枚数は業務の忙しさを判断するうえでの重要な情報となるため、必ず確認しておきましょう。処方箋枚数をスタッフの人数で割ると一人当たりが担当する処方箋枚数が算出できます。

これを他の病院と比較することで忙しさのおおよその目安が分かります。薬剤師一人当たりが担当する処方箋枚数が極端に多いところは残業が生じる可能性が高く要注意と言えます。

電子薬歴導入の有無

薬歴が手書きかパソコン入力かで業務効率が大きく変わってきます。

最近はほとんどの病院が電子薬歴を導入していますが、中には未だに紙薬歴のところもあるため見学会では必ず確認しておくようにしましょう。

入院患者の主な診療科

処方せん調剤や病棟での服薬指導の際には入院患者さんの診療科が重要となるので、どの診療科にかかっている患者さんが多いのかを確認しておきましょう。

スムーズに業務をこなすためには、自分がこれまでに学んできた知識や専門性を発揮できる診療科がメインとなる職場を選ぶことも大切です。

勤務状況

職場見学会では、以下のような募集要項にあまり記載されない勤務条件について質問してみると良いでしょう。

面接官には聞きづらいことも現場のスタッフになら意外と気軽に質問できると思います。

夜勤・当直の有無と頻度

通常、病院では交代制で夜勤・当直を担当することがほとんどです。頻度は月に2~3回のところが多いですが、中には毎週当番が回ってくるところもあります。

夜勤・当直はワーク・ライフ・バランスにも大きく影響するため、事前の確認は必須と言えます。

月に何回くらいあるのか、仮眠はとれるのか、夜中の仕事はどのくらい忙しいのかなど細かく尋ねてみると良いでしょう。

残業・休日出勤の頻度

時間外労働の有無についてもしっかり確認しておきましょう。

応募時の面接で「一カ月の残業時間は何時間ですか?」などとストレートに質問すると面接官に余り良い印象を持たれないこともあります。

そのため、見学会で現場のスタッフに質問してみましょう。その職場におけるリアルな勤務実態を知ることができるはずです。

有給休暇取得率

病院は一般に調剤薬局などと比べて多忙であるため、有給休暇の取得が困難なところも珍しくありません。

募集要項などには取得率までは通常は明示されていないことが多いため、まとまった休みを取りたいという方は是非確認しておきましょう。

職場見学時に見ておきたいポイント

ここでは見学会で特に注目しておきたいポイントについて解説します。

以下のような点を意識しながら見学すると、職場全体の雰囲気をつかむことができ、就職後の働きやすさを判断することができます。

薬剤部スタッフの年齢層

スタッフの年齢層が偏っている職場は注意が必要です。

若い人しかいない場合は、体力があり長時間労働に耐えられる人しか続かない職場である可能性があります。

逆に極端に年齢層が高い職場は旧態依然としたルールや慣習に縛られており、若い人には馴染みづらい雰囲気なのかもしれません。

幅広い年齢層のスタッフが働いている環境が理想的と言えますので、是非、年齢層に着目してみてください。

新人スタッフの仕事の様子

就職後に自分がその職場に馴染めるかどうかを見極めるには、新人スタッフの働き方に注目するのがお勧めです。

入ったばかりで一番立場の低いスタッフ、それはまさに就職後のあなたの姿と言えます。

このため、見学会では特に若くて経験が浅そうなスタッフを良く観察するようにしてください。

表情や声色はイキイキとしているか、オドオドしていないか、他のベテランスタッフにきちんとサポートされているか、理不尽に罵倒されていないかなどを詳細に観察し、自分が同じ立場で働く姿をシミユレーションしてみると良いでしょう。

調剤室が整頓されているか

調剤室は薬剤師業務の拠点であり、最も滞在時間が長い場所です。そのため、雑然としていて散らかり放題の状況での業務は大変ストレスになります。

見学会では、薬棚の整理整頓が行き届いているか、機械類の配線はきちんと整理されているか、埃はたまっていないかなど細かくチェックしてみましょう。

こうした点を確認することで、スタッフの仕事に対する意識も見えてきます。

薬剤師が他職種とどのように接しているか

最近はチーム医療が推進されていることもあり、薬剤師も医師や看護師などの他職種と連携して業務にあたる機会が増えています。

薬剤師と医師や看護師との関係は病院によって様々です。

医師や看護師からの薬剤師に対する信頼が厚く、良好な人間関係が気付けている病院もあれば、深い確執があり業務に支障が出ている病院もあります。

そのため、こうした点も見学会ではしっかりと見極めておく必要があります。

具体的には薬剤師と医師、看護師との会話に耳を研ぎ澄まし、言葉の端々に潜む感情を読み取るようにしましょう。

和やかな雰囲気で、時には冗談も交えるなどして会話を交わしていれば問題はありません。

しかし、話し方がぎこちなく、終始表情が硬いと言うような場合は人間関係に亀裂が走っていることもあり要注意です。

また、病院によっては看護師が薬剤師をこき使っているところもあるため、理不尽な雑用を押し付けられていないかなどにも注目しておきましょう。

まとめ

このように職場見学で注目すべき点はたくさんあります。

見学会はまたとない貴重なチャンスであるため、見逃し、聞き逃しのないよう事前にポイントを整理しておきましょう。

また、見学会から帰ったら、その日に見聞きしたポイントを記憶が新しいうちにノートなどにまとめておくことをお勧めします。

職場選びは慎重になり過ぎるということはありません。是非、多くの病院の職場見学に参加し、自分にとって最適な職場を見つけ出してください!