病院薬剤師の皆さん、あなたの職場にはパワハラはありますか!?
病院では様々な職種の人が一緒に働いていて、多くのスタッフとの関わりがあるため、パワハラ被害に遭われた経験のある方も多いのではないでしょうか。
今回は、病院薬剤師にありがちなパワハラ被害の例をあげながら、その解決策をアドバイスしていきたいと思います。
同僚薬剤師からのパワハラへの対処法
上司でも先輩でもなく、同僚という立場にあるにも関わらず、高圧的な態度で接してくる人っていますよね。
同僚からの嫌がらせは「モラハラ(モラルハラスメントの略)」などと呼ばれることもあるようですが、本質はパワハラと変わりません。
同僚なので正式な業務の命令権などはないのに嫌な業務を押し付けてきたり、暴言を吐いたり、ひどいときには暴力を振ってくる人までいます。
こうしたパワハラに対処するにはどうすれば良いのでしょうか。一番手軽な手段としては、先輩や上司など、パワハラ加害者の同僚よりも上の立場の人に訴える方法があります。
同じ立場である自分やその他の同僚が注意するよりも、先輩や主任などの上の立場の人から諭してもらう方が大人しく言うことを聞く場合が多いでしょう。
黙ってパワハラを受け入れていると、どんどんエスカレートしていく可能性もあるため、早期解決に向けて早めに上の立場の人間に相談することをお勧めします。
また、その際には実際に自分がパワハラを受けていた証拠があると話が進みやすいため、パワハラ被害を受けた日時や内容を正確に記録しておくと良いでしょう。
スマートフォンなどでパワハラが起きている際のやり取りを録音しておくのも効果的です。
先輩薬剤師からのパワハラへの対処法
先輩薬剤師からのパワハラは就職したての新人薬剤師が受けやすいものの一つです。
慣れない仕事に不安一杯で立ち向かっている新人さんに向かって、「こんな簡単なこともできないのかよ!」「この仕事はこの前教えたばかりだろう!」などと罵声を浴びせる嫌な先輩薬剤師っていますよね。
怒らずに丁寧な口調で注意してくれればこちらも納得できるのに、無意味に怒鳴りちらされると本当に嫌な気分になります。
こうした困った先輩薬剤師に対処するには上司に相談することが一番と言えます。
自分で直接先輩に抗議するのは正直、勇気が要りますし、相手にされない可能性も高いです。
そのため、先輩より上の立場の上司に相談して、上司から先輩を諭してもらうことがお勧めです。
特に、配置換えなどの人事権を握っている役職の人に相談すれば、仕事のローテーションや役割分担を変えることによって、パワハラ加害者の先輩と直接関わらないで済むように調整してくれる可能性もあります。
医師からのパワハラへの対処法
最近は、病院薬剤師が病棟業務を行ったり、チーム医療に参加したりする機会が増えているため、医師と関わることも多くなっています。
このため、医師によるパワハラに悩まされている病院薬剤師の方も多いのではないでしょうか。
一般に、医師は立場が強いため、薬剤師に対して高圧的な態度をとることも多いです。
薬剤師としては理不尽な理由で怒鳴られても言い返すこともできず、泣き寝入りする場合がほとんどではないでしょうか。
それでは、こうした医師からのパワハラにはどのように対処すれば良いのでしょうか。
方法としてはいくつかありますが、医師本人に訴えるよりは、まずは薬剤部の直属の上司に相談することをお勧めします。
薬剤部の上司であれば同じ薬剤師の立場として親身に相談に乗ってくれる可能性も高いと言えます。
ただし、薬剤部から直接医師に抗議するのは立場的にもなかなか難しいこともあるため、病棟業務の担当から外してもらったり、他の病棟に配置換えをしてもらうなどの措置を講じてもらうのが良いでしょう。
病棟業務では高いコミュニケーション能力が必要とされるため、人によって向き・不向きが生じてしまうのでやむを得ないことです。
対人関係が苦手な方が病棟業務を担当するとパワハラ被害にあう可能性も高まるため、無理に我慢するのではなく早めに配置転換などの対策をとることが必要でしょう。
看護師からのパワハラへの対処法
病院では医師と同様に看護師も強い力をもっているため、看護師からのパワハラに悩まされている方も多いことでしょう。
特に看護師は気の強い女性が多く、キツい物言いをする方が大勢います。
本人はそのつもりがなくとも周りの人からするとパワハラにあたるような言動をしている方も多く、薬剤師にとっても悩みの種と言えます。
特に病棟業務でナースステーションに出入りする際にパワハラを受けるケースが多いようです。
私の知り合いの病院薬剤師もナースステーションで配薬などの業務をする際に、看護師から「邪魔だ!」と怒鳴られたり、薬剤師の仕事とはほとんど関係のないような雑用を押し付けられたりした経験があると言っていました。
看護師についても医師の場合と同じく、上司に相談して配置換えを検討してもらうという方法もありますが、その他にも相手にせずにやり過ごすという手段もあります。
医師や看護師は部署が違うため常に顔を合わせる存在ではありません。また、薬剤師に対する直接的な指揮命令権もありません。
このため、たとえ彼らからパワハラを受けたとしても、「所詮は他部署の人間」と割り切って相手にしないという姿勢も大切です。
病院薬剤師として今後も長く仕事を続けていくつもりであれば、そういったメンタル面でのタフさも必要になると言えるでしょう。
「転職」が一番の解決策!
上でアドバイスしたような内容を実践しても、一向に問題が解決しないという人もいるかと思います。
組織全体の体質そのものが腐敗しているような場合では、個人の力ではどうにもならない場合もあります。
そんな時にはただひたすら耐えながら状況が好転するのを待つべきなのでしょうか?
病院は国公立病院を除いて基本的に人事異動がないため、簡単には状況の改善が見込めない環境にあります。
下手をするとパワハラ加害者とこの先数十年に渡って顔を突き合わせる可能性もあるわけです。
そうした状況を打破するためには、いっそのこと職場を変えるという選択肢が一番有効です。
調剤薬局やドラッグストアであれば医師や看護師はいないため、他職種からのパワハラ被害も少なくなります。
また、一般にこれらの業種では人事異動も頻繁にあるため、同じ上司や同僚からパワハラを受け続けるという可能性も低いと言えます。
面接時にパワハラで悩んでいるために転職する旨をきちんと伝えれば、新しい職場ではそうした事態が起こらないように配慮してくれる可能性も高くなります。
なにより、職場を変えることで、心に大きくのしかかっていた重荷から解放され、気分一新、新たな仕事に打ち込めることにもなります。
いつまでもくよくよと思い悩んでいるよりも、根本的な問題解決に向けて大きな一歩を踏み出すことも時には必要です。
パワハラ被害で悩まれている方は、転職という解決策があることも念頭に入れておいてください。