「最近、仕事が忙しくて週に1日しか休みがとれない!」「有給が山ほど残っているのにほとんど消化できない!」などと悩まれている病院薬剤師の方はいらっしゃいませんか?
病院薬剤師の仕事は一般に激務のため、思うように休みがとれる人の方が珍しいかもしれません。
「休みがとれないのは嫌だけど周りのみんなも同じだから仕方なく我慢して働いている」という人がほとんどだと思います。
でも、本当に今のままの状態で仕事を続けていってもいいのでしょうか?
現在の職場で働いている限りは多忙な状態は今後も変わることはないでしょう。
この先、何年、何十年とろくに休みや有給がとれない日々が延々と続くことを考えると、思い切って今の職場に見切りをつけて、よりよい働き方のできる新しい職場を探すというのも一つの手段といえます。
そこで今回は、休日の少なさに不満を感じている病院薬剤師の方を対象に、転職によって悩みを解決する方法についてアドバイスしたいと思います。
休みが取りやすい他の病院に転職する
休日をきちんと確保したいのであれば病院以外の職場を選ぶ方が安全といえますが、慣れた職種を変えたくない方や病院薬剤師の仕事にやりがいや誇りを感じている方もいることでしょう。
そうした方にはなるべく休日を取りやすい他の病院に転職することをお勧めします。
「そんな病院あるの?」という声が聞こえてきそうですが、結論からいうと無いことはありません。
ただし数としては少ないため、応募先は入念に探す必要があります。
一般に求人票に載っている年間休日日数や有給消化率は当てにはならないこともあります。
特に有給消化率についてはあくまで目安であり、実際に就職してみたら求人広告の内容と大きな隔たりがあったという話はよく聞きます。
このため、他病院に転職される場合は、できるだけ事前に職場見学会に出席するようにしましょう(職場見学会を実施していない病院は避ける方が良いでしょう)。
そして職場見学会では現場で働く薬剤師に休みの取りやすさや有給の消化率などについて生の声を聞いてみることが大切です。
こうすることで募集要項やインターネット上だけでは分からない貴重な情報が手に入ります。
希望する条件にあう職場を見つけることは一筋縄ではいかないかもしれませんが、転職で失敗しないためにも是非とも根気よく取り組んでいただきたいと思います。
調剤薬局に転職する
調剤薬局は病院と比べて全体的に休みが取りやすい環境にあるといえますが、それでも忙しさはピンキリです。
このため、他病院に転職する場合と同様に事前に入念な下調べをしておくことが大切になります。
調剤薬局はマンツーマン薬局や門前薬局が多く、基本的には隣接するクリニックや病院の開業日に合わせて営業しています。
クリニックに隣接する調剤薬局では、休みは平日に1日と日曜日の週休2日制で、土曜日は午前中だけの勤務というパターンが多いです。
このため、週休2日は確保できても土日に連休を取るのは難しい場合が多いでしょう。
これに対して総合病院の門前薬局では平日は出勤して土日が休みになるというパターンが多いため、土日に予定を入れたい方には適しているといえます。
また、調剤薬局を選択する際には規模の小さい薬局には注意が必要です。
こうした薬局では薬剤師の数が少なく正社員が1~2人というところも珍しくありません。
このような薬局では入社後間もないうちに管理薬剤師にならされる可能性もあります。
管理薬剤師になると業務範囲が大きく広がり、スタッフの勤怠管理やシフト作成などもこなさないといけなくなるため、残業になったり休みがとれなくなるおそれもあります。
面接時に管理薬剤師になる可能性がどの程度あるかについてはしっかりと確認しておくようにしましょう。
ドラッグストアに転職する
ドラッグストアは激務のイメージがあるかもしれませんが薬剤師は意外と休みを取りやすいことが多いです。
ドラッグストア業界は全体として薬剤師不足のところが多く、薬剤師に無理をして働かせて辞められないように、休日はきちんと確保してくれるためです。
ただし、これはあくまでも一般社員の話であり、店長などの管理職に就く場合はこの限りではありません。
通常、ドラッグストアでは登録販売者が店長になることが多いですが、念のため面接の時に店長などの管理職につく可能性があるかどうかは良く確認しておくことをお勧めします。
ドラッグストアの店長では病院を上回るような激務になることも珍しくはないため、転職したらさらに休みが取りにくくなったなどということがないように十分に気をつけてください。
また、当然のことながら休みの取りやすさは職場によって異なるため応募前に良く下調べをしておくことが大切になります。
病院と同様に職場見学や転職説明会に出席することもお勧めですが、ドラッグストアであれば病院や調剤薬局などと違って気軽に出入りできるため、売り場にいる薬剤師さんに内部事情を聞いてみるというのも良い方法です。
まとまった休みは取れるのか、有給取得率はどのくらいなのかなどについて是非、現場の生の声を聞いてみましょう。
また、ドラッグストアは基本的には土日祝日がかき入れ時になるため、これらの日には休みが取りにくくなることには注意が必要です。
土日や祝日に友達や家族と予定を入れたいなどというにはドラッグストアは向かないといえます。
また、ゴールデンウィークやシルバーウィーク、年末年始などもまとまった休みを取るのが難しいことにも注意が必要です。
派遣薬剤師として働く
休日の確保を重視されるのであれば、正社員としての雇用形態に固執する必要はなく、派遣社員として働くという選択肢もあります。
派遣社員であれば正社員の様に休日が取れなくなるということはまずありません。
もちろん一定期間勤務すれば有給も発生しますし、正社員のように週40時間近く働ける職場も多く存在します。
このように、休日や有給の面では派遣社員の方が正社員よりも恵まれているため、プライベートを重視される方はこうした労働形態を選ばれるのも良いでしょう。
パート薬剤師として働く
「派遣薬剤師は契約期間が短く不安定だからちょっと…」という方にはパートタイマーの薬剤師として働くという方法もあります。
一般に薬剤師の時給は2000円以上と高く、パートタイマーで生活していくことも十分に可能です。
パートタイマーであれば週の労働日数は3~4日に抑えることもできるため、プライベートの時間をかなり確保することができます。
このため、休日の確保を重視される方は、正社員だけにこだわるのではなく、パートタイマーの求人にも目を向けてみると良いでしょう。
さいごに
休日が取れないと悩んでいる方でも、転職を視野にいれることで様々な解決手段が存在することがおわかりいただけたかと思います。
休日をしっかりと確保して心身ともにリフレッシュできる時間をつくるというのは仕事を続けていくうえで非常に大切です。
よりよいワーク・ライフ・バランスを実現するためには現在の職場だけに固執するのではなく、外の世界へ視野を広げていくこともときには必要になるでしょう。