病院への転職を考えている薬剤師のみなさんは具体的にはどんなところに就職したいと思いますか？

一口に病院といっても色々な種類があり、それぞれが独自の特徴をもっています。

そこで今回は多くの薬剤師の方が転職したいと思っている病院の特徴についてご紹介したいと思います！

国公立病院

病院の中で最も人気があるのは何といっても国公立病院でしょう。

国公立病院で働く薬剤師は公務員として働くことになります。

このため、原則的に病院都合によって解雇されることが無く、非常に安定した立場が保証されています。

また、給与も医療職棒給表に定められており、勤続年数に応じた着実な昇給を見込むことができます。

初任給の相場こそ年収300～350万円と安いものの、長い期間勤務していれば年収は徐々に上がり続けるため平均年収は600万円以上とかなりの好待遇になります。

また、これ以外にも残業手当がきちんと支払われたり（民間病院ではサービス残業になるところもあります）、福利厚生の点でも非常に恵まれています。

このように国公立病院は民間病院と比べて給与やその他の待遇が圧倒的に有利であるため薬剤師の就職先としても大人気となっています。

ただし、国公立病院は数もそれほど多くはなく人気が高い分、競争率も激しいため、転職するには狭き門であることには注意が必要といえるでしょう。

大学病院

大学病院も薬剤師に人気のある転職先の一つです。

大学病院が人気があるのは以下のような理由によります。

高度な薬学スキルを身につけることができるから

大学病院では一般の病院では手に負えないような難病の患者さんが多く集まってきます。

高度な最先端医療が提供される現場では薬剤師も様々な知識を吸収でき、大幅にスキルアップすることが可能になります。

カルテを読む技術が身につく、複数の診療科の処方箋を読み解けるようになる、最新の抗がん剤についての知識を習得できるなど薬剤師として大きく成長できる機会が与えられるため、向上心の旺盛な薬剤師にとっては憧れの職場といえるでしょう。

チーム医療に参加できる

大学病院のような規模が大きな病院では病棟に様々な医療チームが存在しており、高い専門性を発揮した患者ケアを実践しています。

感染症対策チーム、栄養サポートチーム、褥瘡対策チームなどそれぞれのチームが細分化された役割をもっており、医師、看護師をはじめとした様々な職種のスタッフが連携して業務に取り組みます。

スタッフ間の垣根を越えて他職種と協力して働きたいと思っている薬剤師は多いため、こうした人にはチーム医療を積極的に実践している大学病院は大変魅力的な人気の職場となっています。

病棟業務の割合が高い

大学病院は他の病院と比べて一般的に病棟業務に従事する割合が高いといわれています。

通常の病院では病棟業務よりも調剤業務を担当する割合が高いのですが、大学病院では反対に調剤業務の割合が低く、その分病棟業務に多くの時間を割くことができます。

このため服薬指導や薬物療法のモニタリングなどを通じて患者さんと接する時間を多くもちたいという方にとってはうってつけの職場となります。

病院薬剤師を志望される方は病棟業務に関心の高い方が多いため、必然的に大学病院は人気の職場となっているのです。

急性期病院

急性期病院も薬剤師に人気の転職先の一つです。

一般に急性期病院はその性質上激務となることが多いですがその分、給与も高めに設定されています。

慢性期病院と比較しても100～150万円ほど高い傾向にあり、病院薬剤師の中では高給取りの部類に入るでしょう。

一般に病院薬剤師は給料が低いことで有名ですが、「病院で働きたいけど安月給は嫌！」という少し贅沢（？）な希望をもつ方に人気の職場となっています。

ただし、急性期病院は命に関わる症状の患者さんを多く抱えている病院ということもあり、薬剤師にも高度なスキルが求められる傾向にあります。

病院実務未経験の方などでは転職がかなり厳しくなる可能性もあることは頭に入れておいてください。

特定機能病院

国立がんセンターなどの先端医療を担う医療機関である特定機能病院もかなり人気の高い転職先です。

特定機能病院は患者数、スタッフ数、ベッド数などの規模の点で一般の病院よりもはるかに大きく、薬剤部のスタッフも数十人とかなりの大所帯となっています。

大学の研究室とも交流があり、まさに最先端医療を担う場所であるため、スキルアップや経験を積むことを目的に薬剤師の応募が殺到する人気の職場となっています。

採用枠が狭いため、正社員をあきらめて非常勤の枠で応募してくる人もいるほどで、人気の高さゆえの競争率となっています。

さいごに

このように人気の高い病院にはそれぞれが独自の特徴を兼ね備えていることが分かります。

転職を考えられる際は、自分にはどんな特徴の病院が適しているのかをしっかりと考慮しながら応募先を選択するようにしましょう。

また、今回ご紹介したような病院はどれも魅力的な特徴を兼ね備えていますが、人気が高い分競争率も大変高くなっています。

このため、応募される際はこうした事情をよく考慮したうえで、万全の対策を取られることをお勧めいたします。