「病院薬剤師に転職したいけど未経験だし自分の年齢で大丈夫なのかな?」「今努めている病院から別の種類の病院への転職を考えているけど年齢制限ってあるの?」
病院への転職を考える際にはこんな風にどうしても自分の年齢が気になってしまいますよね?
病院薬剤師は調剤薬局やドラッグストアなどと比べて競争率が高い狭き門となっています。
このため、年齢によっては転職がかなり難しくなってしまう場合もあります。
そこで今回は病院薬剤師への転職を考えている方のために、年代別に中途採用の傾向について紹介していきたいと思います。
20代後半
20代後半の薬剤師であればあらゆるタイプの病院に応募することが可能です。
この年齢であればまだ十分に若いため、世間一般的にも研修次第であらゆる業務に適応できる能力を身につけることが可能と考えられています。
このため、大学卒業後はドラッグストアなどで働いており調剤未経験の方も採用される可能性は十分にあるので積極的にチャレンジされると良いでしょう。
また、国立病院のような人気の高い公務員薬剤師も十分に目指せる年齢なので、安定した将来を望まれる方にもおすすめです。
30代前半
30代前半は調剤未経験の方が病院薬剤師に転職する際のギリギリの年齢といえます。
30歳を過ぎてから新しいことを覚えさせるのは一般にかなり大変であるため、病院側としても未経験者を採用するには通常はこの辺りの年代が限界となります。
調剤未経験の方は不可能ではありませんが、転職活動がかなり難航することも覚悟しなければなりません。
また、急性期病院や大学病院のような高度なスキルが要求される病院はややハードルが高いといえるため、慢性期病院や小規模で診療科目が少ないような病院を狙うのが無難かもしれません。
ただし、30代前半でも調剤薬局や病院に勤めた経験がある方なら比較的自由に転職先を選ぶことができます。
30代後半
30代後半の方で病院に転職できるのはほぼ調剤経験者のみとなります。
また、調剤経験者であっても調剤薬局のみで病院勤めの経験が無い方では、転職市場は厳しくなる可能性があります。
長期戦を覚悟しながら転職活動に臨み、遅くとも40歳になる前には病院への転職を成功させるようにしましょう。
転職先もハイレベルな病院は避け、慢性期病院などを選択する方が無難といえます。
一方、病院薬剤師経験者の方で一定の勤続年数がある方であればそれほどターゲットを絞り込む必要はありません。
スキルアップや年収アップを視野に入れて自分が臨む形態の病院に応募されると良いでしょう。
40代前半
40代以降で病院に転職される場合はもはや病院勤め経験者限定となるでしょう。
病院は60歳で定年となるところが多いため、40代以降の未経験の薬剤師を採用しても定年までの期間が短く、多大な労力をさいてまで研修するに値しないと思われてしまうためです。
病院勤めの経験がある方なら40代前半でも十分に転職の余地はあります。
ただし、急性期病院や特定機能病院などのハイレベルな病院では門戸が狭くなるため、面接時に自分がこれまでに積んできたスキルや経験をいかにアピールできるかが採用されるための肝となるでしょう。
たとえ病院経験者といえども40歳を過ぎると若い世代と比べて不利な状況になることは否めないといえます。
40代後半
40代後半になると病院薬剤師の転職市場はさらに厳しさを増します。
病院未経験の方はこの年齢だともはや転職は不可能といえるでしょう。
経験者の方であればこの辺りが転職できるギリギリの年代となります。それも、大学病院や急性期病院などのハイレベルな病院ではなく、小規模民間病院や慢性期病院などが妥当なレベルとなります。
定年までの期間もわずかなため、転職先で新しい経験を積むというよりは今までやってきた業務をそのまま新しい職場でも繰り返すという形になるでしょう。
50代以降
50代以降から病院薬剤師に転職するのは残念ながらかなり困難な状況といえます。
定年まで残りわずかの人材を雇用するメリットは病院側にはあまりありません。
また、この年代ですと体力的な面でも病院薬剤師の激務についてこられない可能性もあります。
ただし、他の病院に長年勤務しており、病院薬剤師としてベテランといえるほどの経歴をお持ちの方でしたら50代以降でも採用される可能性はあります。
また、僻地などにあってよほどの求人難な状況の病院でしたら同じく採用してもらえることもあるでしょう。
他にはパートタイマーなどの非常勤職員の形態でしたら採用される可能性もあります。
さいごに
年齢を重ねるごとに転職が厳しくなるのはどの業界についても共通していますが、病院薬剤師は特にその傾向が強いといえます。
病院薬剤師としてある程度の成功を収めたいのであれば遅くとも30代前半までには長期的に働くことのできる職場を見つけるべきといえます。
のんびりかまえているうちにどこにも行く場所が無くなったなどということが無いように、早め早めに行動することを心がけてください。