今回、私が薬局薬剤師として働くで感じたメリット及びデメリットについてまとめてみたいと思います。調剤薬局から病院薬剤師に転職して感じた比較の意見も載せていますので、少しでもご参考になればと思います。

病院薬剤師に関心のある方は、調剤薬局経験者から見た病院薬剤師のメリットとデメリットも合わせてご覧ください。

薬剤師が調剤薬局で働くメリット

一般に病院薬剤師よりも給与面で恵まれている

私が調剤薬局の薬剤師として働いていたのは鹿児島県のある地域ですが、新卒としていただいていたお給料は大体月に30万円程でした。比較のために近隣の病院での求人を調べてみたところ、新卒で26～28万円程で募集しているところが多いようでした。そんなに差はないと感じますが、年間で計算すると48～24万円の差です。この差は大きいですよね。

服薬指導や相談対応などの機会が多く、薬剤師としてのやりがいを感じやすい

私は患者さんとお話しするのが比較的好きなので、調剤薬局での薬剤師の業務の中で１番やりがいを感じるものが服薬指導でした。飲み方や注意点を自分なりに分かりやすく説明するよう工夫し、患者さんに安心してお薬を利用してもらえることを常に心がけていました。

病院薬剤師の服薬指導については病院によって規定や方針が違いがあり、院内での処方に対し服薬指導を行わないような病院もあります。

実際に私が転職した病院では、退院時の処方については全員に指導をするけれど、それ以外は業務に余裕があるときしか指導しないという方針になっていました。本当に業務が忙しいときは指導に行く時間が全く取れないのでしょうがないと思うのですが、退院時に患者さんに「入院中も出されるから薬を飲んでいたけれど、全然説明がなくて不満に感じた」と言われてしまい、申し訳なく思うこともあります。

社員割引で一般用医薬品や医薬部外品、化粧品などが買えることも多い

これは一般用医薬品などを取り扱う薬局に限られてしまうのですが、薬局内で取り扱う商品を購入する際に社員割引などの割引制度がある薬局も多いと思います。

あくまでも私の働いていた薬局での例になりますが、一般用医薬品の他に製薬会社から発売されている化粧品や、特殊な医薬部外品指定の保湿クリームなども取り扱っており、社員やパートで勤務していれば２割引で購入できました。

ちなみに他の女性社員の方はBBクリームなどの化粧品をよく購入されていましたが、私は葛根湯などの漢方薬（一般用医薬品）や保湿クリームを購入していました。

薬剤師が調剤薬局で働くデメリット

人間関係が狭い

私が働いていた薬局のスタッフは常勤の薬剤師が３名、パートの薬剤師が３名、医療事務の方が３名、調剤助手の方が１名という感じでした。なので薬局の業務を計10人で行っていましたが、残念ながら私以外の常勤薬剤師の方に相性が良くない方がいたため、その方と一緒に業務を行う時は必要以上に緊張していた記憶があります。

どんな仕事でも同じですが、調剤薬局の場合は特に人間関係が狭く、気が合わないスタッフがいるとぎくしゃくしがちなのはデメリットだと言えます。

病院薬剤師は医師や看護師を始めさまざまなコメディカルスタッフの方の関わりがあります。そのため人間関係は以前より広く浅い付き合いとなり、相性が合わないという方がいてもストレスになりにくいと感じました。

勤務時間が長めなことが多い

調剤薬局の開局時間は近隣の病院の診察時間に合わせて決まっていることが多いと思いますが、たいていは病院での診察時間よりも遅くまで開局しているため、病院に比べて勤務時間が長くなることもあります。

そしてもし閉局時間ギリギリ、もしくはちょっと閉局時間を過ぎたけれど薬剤師がまだ在局しているという状況で患者さんが処方箋を持ってこられたら、開局して対応しなければいけません。なのでこの場合は自動的に残業になります。

チェーン経営の薬局では転勤ありきの就職となることが多い

私が働いていた調剤薬局は県内でも大手のチェーンに分類される薬局でした。面接や雇用契約をむすぶ際の説明では、就職して数年は店舗の移動は予定していないと聞いていたのですが、実際に働き始めると頻繁に人事異動があり、親身に指導していただいた先輩薬剤師の方が数ヶ月で別の店舗に移動してしまったり、私自身も１年が経過する前に移動の打診がありました。

転勤が多いと移動先での業務や人間関係に慣れたり、患者さんの顔を覚えたりするのもまた一からのスタートになるので大変です。どうしても転勤したくない・できない場合は認めてくれる場合もありますが、給与が下がったり、ボーナスや昇給の査定に影響が出る場合があります。

実際に私が転勤を打診された際、断わることができるか聞いてみたのですが、私の働いていた薬局では、転居をともなわない転勤は基本的に断れないと言われてしまいました。その時点で別の原因もあり退職を考えていたため実際に転勤することはありませんでしたが…

その点、病院薬剤師は基本的に系列の病院がない場合転勤もほぼ100％ないと言えるので、転勤したくない方にとっては安心だと思います。