産業カウンセラーの資格概要

産業カウンセラーとは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認可している資格です。企業で働いている人すべてを対象として、職場のさまざまなストレスを解消すべくカウンセリングを行うのが産業カウンセラーの仕事です。

臨床心理に関する深い知識と技術を持っている専門家としての役割があります。企業で働いている人すべてが気持ちよく働けるようにするという観点から企業の円滑な業務に貢献しているということですね。

産業カウンセラーに必要な知識や技術

産業カウンセラーに必要になるのは臨床心理に関する深い知識と経験です。カウンセリングを行うときにはさまざまな臨床心理学的な手法を用いなければいけません。「人の顔がこう動いたら何かを隠している」などですね。そういった実践的な知識が必要になります。

また、そういった知識だけではなく、自らの人生経験や想像力なんかも必要です。カウンセリングは心理学的手法を用いるだけで務まるものではありません。相手の話を理解してそれに共感する。一緒に問題解決への糸口を探したり、相手の気持ちを楽にさせるためには自分の経験と照らし合わせて相手のこころに寄り添う必要があります。

そうした人間関係を築く力、人間力というものが、産業カウンセラーにとっては最も大切なものと言えるかもしれませんね。

産業カウンセラーになるには

受験資格

  • 試験日に20歳に達している人で、協会・協会が委託して行う他の産業カウンセリングの講座やそれと同等の水準を満たしていると指定されている講座を修了した人
  • 4年制大学学部・大学院研究かで、心理学や心理学隣接諸科学・人間科学・人間関係学のいずれかの学部や専攻課程の卒業者。なおかつ次に挙げるAからG群までの科目で、1科目2単位以内として10科目以上20単位以上取得している人。ただ、D群からG群は6単位以内。

A:産業カウンセリング カウンセリング 臨床心理学 心理療法各論
B:カウンセリング演習 カウンセリング実習
C:人格心理が食い 心理アセスメント法
D:キャリア・カウンセリング キャリア概論
E:産業心理学 産業・組織心理学 グループダイナミックス 人間関係論
F:労働法令
G:精神医学 精神保健 精神衛生 心身医学 ストレス学 職場のメンタルヘルス

試験について

試験は学科試験と実技試験に分かれていて、それぞれ合格すると合格になります。学科試験はマークシート式で60問。制限時間は150分と長めにとられているので安心です。

学科試験野内容は、産業カウンセリング概論・カウンセリングの原理および技法・パーソナリティ理論・職場のメンタルヘルス・事例検討などについて。もっと詳しく見ていくとそれぞれの分野ごとにさまざまな出題範囲があります。

実技試験に関しては30分程度のロールプレイングと口述試験。ここでは産業カウンセラーとして働くにふさわしい人間であるか、ふさわしい態度かなどを見ます。また、自己理解が出来ているかなども問われるので自分を見つめなおしておく必要もありそうです。

ロールプレイングでは実際のカウンセリングの場を想定した試験が行われます。

試験はどちらも例年1月下旬頃に行われ、受験地は各地にありますが、実技試験は学科試験よりも開催地が少ないです。学科試験は札幌・盛岡・仙台・東京・横浜・高崎・静岡・名古屋・金沢・大阪・岡山・広島・松山・北九州・福岡・熊本・宮崎・沖縄。

実技試験は札幌・仙台・東京・横浜・高崎・名古屋・金沢・大阪・岡山・松山・福岡・宮崎・沖縄で行われます。

合格基準は、学科試験も実技試験もだいたい6割以上で良いとされているのでやさしいですね。合格率お7割を超えていると言われているので、きっちりと勉強した人であれば、よほどのことが無い限りは落ちないでしょう。

産業カウンセラーの活躍の場

産業カウンセラーの資格取得者の活躍の場として代表的なのは各企業の相談室です。相談室を設けている、産業カウンセラーを雇っている企業であれば活躍することができます。

そのほかにも、そう無関係や医療・福祉・教育関連職などで活躍することもできるので、活躍の場はかなり多岐に渡っていると言えますね。ブラック企業などが叫ばれる世の中ですから、将来性もバッチリです。

とりあえずとっておけば転職などにも有利になります。