食品衛生監視員の資格概要

食品衛生監視員は、全国の海や空港などの検疫所で輸入食品の安全監視と指導を行います。厚生省によって認定される国家資格です。

食品衛生法によって規定されている食品に起因した食中毒などを防止したり食品衛生に関係するありとあらゆる危害を防止。そのために施設への立ち入りの際に検査や指導を行っています。食品衛生の門番であると言える仕事ですね。

国や地方自治体などの行政機関の職員であり、保険所を設置する自治体には必ずいなければいけない義務がある職種になります。そのため、責任はとても重くなってしまいますし、ひとりあたりの仕事の負担はとても大きいですが、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

食品衛生監視員に必要な知識や技術

まず必要とされる知識や能力は、基礎的な能力です。どういった能力なのかというと、文章を正しく理解する能力。その文章から物事を判断してさらにその先を推理する能力。数的推理能力や資料解釈の力などが必要とされる基礎能力です。

また、自然や人文社会に関する知識が必要となります。分析化学や食品化学、微生物学や毒性学、公衆衛生学や食品衛生学に関しての知識も必要になるなど、その知識の幅はとても広いですね。薬学や農学などを学んだ人にとってはすでに備わっていてもおかしくはない知識かもしれません。

この幅広い知識を広く浅くではなく、広く深く持っていなければならないのが難しいところです。

食品衛生監視員になるには

受験資格について

食品衛生監視員には試験がありますが、その受験資格は以下の通りです。

■ 21歳以上30歳未満で次に掲げる者

  • 大学で薬学・畜産学・水産学・農芸化学の過程を修めて卒業した者または、試験実施年度の3月までには卒業する見込みの者
  • 厚生労働大臣の登録を受けている食品衛生監視員要請施設で所定の課程を修了したもの及び試験年度の3月までに修了する見込みのあるもの

■ 21歳未満で次に掲げる者

  • 大学で薬学・畜産学・水産学・農芸化学の学部学科を卒業した者または、試験実施年度の3月までには卒業する見込みの者
  • 厚生労働大臣の登録を受けた食品衛生監視員の要請施設で、所定の課程を修了した者及び試験年度の3月までに修了する見込みのある者
  • 人事院がそれと同等の資格があると判断した者

以上が、試験を受けるために必要な受験資格です。

基本的には21歳以上30歳未満でなくてはいけませんが、条件を満たすことができるのであれば21歳未満でも受験することができるというわけですね。

提出書類など

第2次試験の面接の際に、いくつか書類を提出しなければいけません。

■ 要請施設の過程を終了した人の提出書類

  • 住民票記載事項証明書
  • 要請施設の成績証明書
  • 食品衛生監視員の任用視覚を持っていると証明できる書類
  • 大学の卒業証明書または卒業見込み証明書

■ 大学で薬学・畜産学・水産学または農芸化学に関する学部学科を卒業したもの、卒業見込みの者

  • 住民票記載事項証明書
  • 大学の卒業証明書または卒業見込み証明書
  • 大学の成績証明書

以上の書類を提出して第2次試験を受けることになります。1次試験の前に提出するのではなく、2次試験の際に提出する書類ですのでお間違いなく。

試験について

試験の概要は厚生労働省のホームページにてPDFで掲載されています。

平成27年度の場合は、4月1日から4月13日までの間が受付期間でした。申し込みはインターネットから行い、13日までに受信していれば有効というシステムです。第1次試験は6月7日に行われ、試験時間は9時35分から14時55分の約5時間。

合格者発表はその1ヵ月後の7月8日に行われ、2次試験はその一週間後7月15日から7月22日の間に行われます。最終合格者の発表は8月25日に行われるなど、結構あわただしいスケジュールで試験が動いています。

第1次試験に関しては東京都・大阪市・小樽市・福岡市で行われましたが、第2次試験は東京だけです。問題については多岐選択式試験になっています。

食品衛生監視員の活躍の場

全国の主要な港や空港が活躍の場になっています。そのほかの場合は、地方厚生局にて総合衛生管理製造過程の承認などの仕事を行うことになるなど、オフィスワークと実地での検疫業務の両方を行う仕事です。

給料は20万円から始まり、徐々に上がっていきます。公務員ということで、将来性も安定性もばっちりです。